2026年7月18日

Anthropicライフサイエンスハッカソン受賞プロジェクトとClaude活用

Built with Claude: Life Sciences Hackathonとは?

室谷室谷代表取締役
AnthropicがGladstone Institutes、Cerebral Valleyと共催したライフサイエンス向けハッカソン『Built with Claude: Life Sciences』が7月7日から13日まで開催されました。賞金総額は10万ドル相当のクレジットで、世界中からAI開発者や研究者が参加したんですよね。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
ええ。特徴的なのは、使用ツールとして『Claude Science』と『Claude Code』が指定されていた点です。

Claude Scienceは科学研究向けに最適化された機能群、Claude Codeはコード生成・解析・自動修正を行う開発者エージェント。これらをフル活用して、生命科学の具体的なボトルネックを短期間で解決するプロトタイプが作り上げられました。
室谷室谷代表取締役
実際にどんなプロジェクトが受賞したのか、見ていきましょう。

優勝プロジェクトの全貌:研究トラック「NCypher」「Extremolith」

研究トラック優勝・準優勝ツール比較
NCypher(優勝)
  • 対象: DIPG(小児脳腫瘍)
  • 従来: 非コード領域変異解析に数ヶ月、直感依存
  • 解決策: Claudeで優先度自動ランク付け
  • 効果: 希少疾患治療標的発見を加速
Extremolith(準優勝)
  • 対象: タンパク質設計
  • 従来: 実験的試行錯誤で成功率低
  • 解決策: Claudeで耐性アミノ酸置換提案
  • 効果: 産業用酵素の応用範囲拡大
室谷室谷代表取締役
研究トラックの優勝は、アイルランド・ダブリンのFaith Ogundimu氏による『NCypher』です。小児脳腫瘍の一種でほぼ致死的な「びまん性内在性橋膠腫(DIPG)」を対象に、遺伝子間領域(非コード領域)のDNA変異を解析するツールなんですよね。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
従来、非コード領域の変異解析は数千の候補から実験的に検証すべき数個に絞り込むのに数カ月かかり、研究者の直感に頼っていました。NCypherはClaudeの推論能力を活用して、優先度の高い変異を自動的にランク付けします。

これにより希少疾患の治療標的発見が大幅に加速する可能性があります。
室谷室谷代表取締役
研究トラック準優勝は、バークレーのJaymin Patel氏による『Extremolith』。タンパク質設計ツールで、酵素を高温・酸・塩水に耐えるように書き換えます。

例えばプラスチック分解酵素は高温でよく働く反面、酵素自体が熱で変性してしまうジレンマがあった。ExtremolithはClaudeの構造理解を基に、耐性を付与するアミノ酸置換を提案します。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
従来のタンパク質工学は実験的な試行錯誤が中心で成功率は低かった。AIによる設計が可能になれば、産業用酵素の応用範囲が大きく広がるでしょう。

優勝プロジェクトの全貌:ビルドトラック「Lazarus」「Provinans」

Lazarusの動作手順
  1. 1
    GitHub URLを受け取る
    放棄された研究コードのURLを受け取り、リポジトリと論文を読み込む
  2. 2
    自己目標と検証テストを記述
    リポジトリと論文に基づき、自己目標と検証テストを記述
  3. 3
    Dockerサンドボックス内でビルド&実行
    サンドボックス内でビルド→実行→エラー読み取り→修復のループを回す
  4. 4
    依存関係を当時の環境に固定
    依存関係を当時の環境に固定しながらソースコードのバグを修正
  5. 5
    コンテナ化されたAPI/CLIとスモークテストを出力
    最終的にコンテナ化されたAPI/CLIとスモークテストを出力
  6. 6
    プルリクエストを送信
    修正内容をプルリクエストとして上流に送る
室谷室谷代表取締役
ビルドトラック優勝は南アフリカ・ヨハネスブルクのDean Sherry氏による『Lazarus』。これは放棄された研究コードのURLを受け取り、自動で修復して実行可能にするエージェントです。

なんと15年前のバグを修正したんですよ。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
LazarusはGitHubのURLを渡すと、リポジトリと論文を読み込み、自己目標と検証テストを記述。Dockerのサンドボックス内でビルド→実行→エラー読み取り→修復のループを回し、依存関係を当時の環境に固定しながらソースコードのバグを修正します。

最終的にコンテナ化されたAPI/CLIとスモークテストを出力し、修正内容はプルリクエストとして上流に送られます。
室谷室谷代表取締役
具体的には、6つの放棄された手法(MaSIF、ScanNet、dMaSIF、fpocket、Basset、DiffDock)を復活させ、fpocketのC言語にあった15年放置の未定義動作バグを修正、dMaSIFのCUDAパスを修正してGPU実行を可能にしました。さらにBassetのソフトマスキングのバグを発見し、再現実験では論文の数値とほぼ一致する結果を得たそうです。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
『コードが動いた』ではなく『結果を信頼できる』ことを重視し、論文のベンチマークを再現する仕組みが組み込まれている点が画期的です。科学界の再現性問題に真正面から取り組んだプロジェクトと言えます。
室谷室谷代表取締役
ビルドトラック準優勝はトロントのShereen Lee氏による『Provinans』。数十年分のがん登録データを統合するツールです。

病期分類の改定により、2023年の改訂では一夜にして最大28%の患者が異なるステージに再分類されました。ProvinansはClaude Codeを用いて、時代ごとに異なる分類ルールを横断的にマッピングし、一貫したデータセットを構築します。

特別賞「Trialign」と注目プロジェクト一覧

室谷室谷代表取締役
Gladstone Institutes賞(特別賞)には、トロントのJules Park氏とサンフランシスコのNeil Wang氏による『Trialign』が選ばれました。がん患者の医療記録を読み取り、現在参加可能な臨床試験をマッチングするツールです。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
臨床試験のマッチングは医師の手作業に頼ることが多く、患者が適切な試験を見つけられないケースが少なくありません。TrialignはClaude Scienceの自然言語理解を活用して、カルテのテキストから適格基準を抽出し、試験データベースと照合します。
室谷室谷代表取締役
その他にも多数のプロジェクトが公式ギャラリーで公開されています。例えば、遺伝子データ解析ツールや創薬支援エージェントなど、ライフサイエンスの様々な課題をClaudeで解決する試みが見られます。

Claude Science / Claude Codeが可能にしたこと

Claude Science / Claude Code が可能にしたこと
NCypher
  • 非コード領域の変異解析を効率化
  • Claudeの推論と情報検索を活用
Extremolith
  • タンパク質設計の試行錯誤を代替
  • AIの構造予測を活用
Lazarus
  • コードの再現性問題を解決
  • Claude Codeの自動デバッグを活用
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
このハッカソンのポイントは、単にAIで何かを作ったということではなく、科学研究の具体的なボトルネックを特定し、Claude ScienceとClaude Codeという専用ツールで短期間に突破した点です。
室谷室谷代表取締役
例えばNCypherは、非コード領域の変異解析という専門家でも時間のかかる作業を、Claudeの推論と情報検索で効率化しました。Extremolithはタンパク質設計の試行錯誤をAIの構造予測で代替。

Lazarusはコードの再現性問題を、Claude Codeの自動デバッグ能力で解決しました。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
これらのツールは単なるチャットボットではなく、科学者が日常的に直面する『手間のかかる作業』を自動化するためのエージェントとして設計されています。Claude Scienceは学術論文の読解や実験計画の提案、Claude Codeはコードの解析・修正・実行を一手に担います。
室谷室谷代表取締役
MYUUUでも似たような取り組みをしていますが、やはりAIエージェントが研究の『つなぎ目』を自動化できるかどうかが鍵だと痛感します。今回の受賞プロジェクトは、その可能性を明確に示しました。

科学界の再現性問題にAIが挑む:Lazarusの意義

テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
科学界では長年『再現性の危機』が叫ばれています。特に計算科学では、公開されたコードが数年のうちに動作しなくなる『ソフトウェア劣化』が深刻です。

Lazarusはまさにこの問題に立ち向かうプロジェクトです。
室谷室谷代表取締役
開発者のDean Sherry氏は、『費用対効果の高い再現性』を掲げています。小さな予算のML for biologyチームにとって、コードの復活にかかる数日間の作業は大きな負担。

Lazarusはリンクを渡すだけで誰でもそのタスクを実行できるようにし、さらに論文の数値を再現することで信頼性を保証します。
テキトー教師テキトー教師.AI認定講師
しかも、修正内容がプルリクエストとして上流に送られるため、コミュニティ全体でコードを維持できる仕組みになっています。これにより『ゼロから再発明』する無駄が減り、科学の進展が加速するでしょう。
室谷室谷代表取締役
これはAntigravityでClaude Opusは使える?対応モデルからクォータ制限まで徹底解説でも触れましたが、AIエージェントが研究基盤を保守する時代が来ている証拠ですね。

よくある質問

Q: Built with Claude: Life Sciencesハッカソンの開催概要は? A: 2026年7月7日から13日にかけてバーチャルで開催されました。主催はAnthropic、Gladstone Institutes、Cerebral Valley。賞金総額は10万ドル相当のクレジットで、研究トラックとビルドトラックの2部門がありました。

Q: 参加方法や応募条件は? A: グローバルバーチャルハッカソンとして開催され、AI開発者、研究者、学生など幅広い層が参加可能でした。使用ツールはClaude ScienceとClaude Codeに限定されていました。

Q: トラック内容と賞金は? A: 研究トラック(Research track)とビルドトラック(Build track)があり、各トラックで優勝1チーム、準優勝1チームが選ばれました。さらにGladstone Institutes賞(特別賞)も設けられました。

Q: Claude Scienceとは? A: 科学研究向けに最適化されたClaudeの機能群です。学術論文の読解、実験計画の提案、データ解析など、研究者のワークフローを支援します。Claude Codeはコード生成・解析・自動修正を行う開発者エージェントです。

Q: 関連プログラム(AI for Science Program)はある? A: Anthropicはこれとは別にAI for Science Programを展開している可能性がありますが、今回のハッカソンとは直接関係ありません。詳細は現時点では明らかにされていません。

関連記事

新着記事

関連記事

.AI TIMES一覧に戻る