NVIDIA Agent Toolkitとは?今回の拡張で何が変わったか
NVIDIA Agent Toolkitの構成要素(今回の拡張)
NVIDIA Agent Knowledge Foundation
NVIDIA CUDA-Xライブラリを含む
NVIDIAオープンモデル
Nemotron Retrieverと新しいKumoファミリーなど
NVIDIA OpenShell
セキュアエージェントランタイム
NVIDIA NemoClaw
セキュアエージェントブループリント
ツールとスキル
NeMo RelayやNeMo Compassなど
室谷代表取締役NVIDIA Agent Toolkitは、NVIDIAが2026年10月21日に発表した、企業データに基づいて質問応答や予測を行うAIエージェントを構築するためのオープンソースのツール群です。エージェントが何にアクセスし、何を実行できるかを制御する仕組みまで含んでいるのが今回の拡張のポイントなんですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師単に「新しいツールが出ました」という話じゃないんですよ。NVIDIAの公式ブログに「Agents are only as useful as what they know, and only as trustworthy as the boundaries they run within」とあるように、エージェントの価値は“何を知っているか”と“どの境界の中で動くか”の両方で決まるという問題意識が根底にあります。
室谷代表取締役なるほど、知識と境界の両輪ですか。今回の拡張でAgent Toolkitを構成するものとして、公式ブログでは新しいAgent Knowledge FoundationとCUDA-Xライブラリ、Nemotron RetrieverとKumoファミリーなどのオープンモデル、OpenShellというセキュアなランタイム、NemoClawというセキュアなエージェントブループリント、そしてNeMo RelayやNeMo Compassといったツール・スキルが挙げられています。
テキトー教師DotAI 認定講師ここは整理して押さえたいところですね。公式ブログの記載に沿って並べるとこうです。
- NVIDIA Agent Knowledge Foundation(NVIDIA CUDA-Xライブラリを含む)
- Nemotron Retrieverと新しいKumoファミリーなどのNVIDIAオープンモデル
- NVIDIA OpenShell セキュアエージェントランタイム
- NVIDIA NemoClaw セキュアエージェントブループリント
- NeMo RelayやNeMo Compassなどのツールとスキル
室谷代表取締役ちなみに、名前が似ているNeMo Agent Toolkitとの関係は気になるところです。公式ドキュメントには、NVIDIA NeMo Agent Toolkitが2026年10月に非推奨となり、年内にEOLを迎える旨の告知が出ているんですよね。
両者の包含関係について公式資料に明記はないので、そこは誤解しないようにしたいところです。
両者の包含関係について公式資料に明記はないので、そこは誤解しないようにしたいところです。
テキトー教師DotAI 認定講師そうなんですよ。講座でも「NeMo Agent ToolkitとAgent Toolkitは同じもの?」と聞かれることがあるんですが、現時点で公式に整理された包含関係の説明は確認できていません。
NeMo Agent Toolkit側は移行ガイドが案内されているので、既存で使っている方はそちらを確認するのが実務的ですね。
NeMo Agent Toolkit側は移行ガイドが案内されているので、既存で使っている方はそちらを確認するのが実務的ですね。
Agent Knowledge Foundationで企業データはどうエージェントの“知恵”になるのか
企業データがエージェントの“知恵”になる流れ
- 01データを移動せず活用既存ワークフローやガバナンス管理を変えずに使える設計
- 02Auto-Ontologyで業務概念に変換生の企業データを「顧客」「製品」「注文」などの馴染みある業務概念に変換
- 03関係性をマッピング業務概念同士のつながりを地図化し、意味の構造を与える
- 04エージェントが関連情報を発見マッピングされた情報から関連情報を見つける
- 05ビジネス上の意味を理解見つけた情報がビジネスにとって何を意味するかを理解
- 06予測に使い次の判断を支援予測に活用して次の判断を支援する
室谷代表取締役今回の目玉がAgent Knowledge Foundationです。公式ブログによると、企業がデータをエージェントの使える「company intelligence」に変えるための基盤だと説明されています。
エージェントが関連情報を見つけ、それがビジネスにとって何を意味するかを理解し、予測に使って次の判断を支援できる、という流れですね。
エージェントが関連情報を見つけ、それがビジネスにとって何を意味するかを理解し、予測に使って次の判断を支援できる、という流れですね。
テキトー教師DotAI 認定講師ここで重要なのが「データを移動せず、既存ワークフローを再構築せず、ガバナンス管理も変えずに使える」という点です。企業にとってデータ移設や統制の作り直しは大きなコストなので、これは導入ハードルを下げる設計思想だと言えます。
室谷代表取締役構成要素も具体的です。CUDA-XライブラリとしてcuDF、cuGraph、cuML、cuOpt、cuVSが含まれ、さらに新しいAuto-Ontologyライブラリが、生の企業データを「顧客」「製品」「注文」といった馴染みのある業務概念に変換し、それらの関係性をマッピングするというんですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師これは地味に効く部分ですよ。生データのままではエージェントは「顧客」と「注文」がどうつながるかを理解できません。
Auto-Ontologyが業務概念の地図を作ることで、エージェントの回答や予測が業務の文脈に沿ったものになる。単なる検索の延長ではなく、意味の構造を与える層なんですね。
Auto-Ontologyが業務概念の地図を作ることで、エージェントの回答や予測が業務の文脈に沿ったものになる。単なる検索の延長ではなく、意味の構造を与える層なんですね。
室谷代表取締役MYUUUでもデータ基盤の相談を受けることが多いんですが、まさに「データはあるけど、AIが業務を分かっていない」という壁にぶつかるんですよ。そこをオントロジーで埋めるという発想は実践的だなと思います。
Nemotron RetrieverとKumoファミリーでできること
Nemotron Retriever導入企業の成果(公式ブログ記載)
Amazon OpenSearch Service
- エンベディングモデルを利用
- 検索ステップを削減
- 実質的なレイテンシ増加なし
- 関連性を改善
SAP
- ファインチューニングしたリランカー
- 約3倍高速化
テキトー教師DotAI 認定講師次はモデル群です。Nemotron RetrieverとKumo Structuredオープンモデルには、Kumo Tabular、Kumo Relational、Kumo Time Series、Kumo Forecastが含まれると公式ブログにあります。
エージェントが関連する企業情報を見つけて質問に答えたり予測したりするのを支えるモデルたちですね。
エージェントが関連する企業情報を見つけて質問に答えたり予測したりするのを支えるモデルたちですね。
室谷代表取締役ここは導入企業の数字が出ているのが面白いところです。Amazon OpenSearch Serviceはエンベディングモデルを使い、検索ステップを減らしつつ実質的なレイテンシ増加なしで関連性を改善したと。
SAPはファインチューニングしたリランカーが約3倍高速になった。ServiceNowはリランキング品質を上げつつレイテンシを約4分の1削減。
Zoomはドキュメント理解や検索関連性、コンテキスト取得の改善にNemotron Retrieverモデルを使っている、と。
SAPはファインチューニングしたリランカーが約3倍高速になった。ServiceNowはリランキング品質を上げつつレイテンシを約4分の1削減。
Zoomはドキュメント理解や検索関連性、コンテキスト取得の改善にNemotron Retrieverモデルを使っている、と。
テキトー教師DotAI 認定講師数字が具体的ですね。SAPの約3倍、ServiceNowの約25%削減というのは、いずれも各社の環境での結果として公式ブログに記載されているものです。
前提条件は違うので単純比較はできませんが、検索・リランキングの実運用に効いていることが分かります。
前提条件は違うので単純比較はできませんが、検索・リランキングの実運用に効いていることが分かります。
室谷代表取締役検索の質と速度って、エージェント体験を左右するんですよね。どれだけ賢いモデルでも、必要な情報を取り出せなければ答えは浅くなる。
RetrieverとKumoファミリーは、その土台を固める位置づけだと読めます。
RetrieverとKumoファミリーは、その土台を固める位置づけだと読めます。
OpenShellとNemoClawが担うアクセス制御とセキュリティ境界
室谷代表取締役そして境界の側です。OpenShellはエージェントがアクセスできる範囲と実行できることを制御するセキュアなランタイムで、ポリシーベースのセキュリティ、ネットワーク、プライバシー保護を強制するというんですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師2026年3月の発表では、OpenShellは「自律エージェント(claws)をより安全に展開する」ためのランタイムとして登場していました。今回の発表では、それがAgent Toolkitの中核コンポーネントとして改めて位置づけられた形です。
ポリシーベースというのは、ルールをコードで書き、ランタイム側で強制する仕組みだと理解できます。
ポリシーベースというのは、ルールをコードで書き、ランタイム側で強制する仕組みだと理解できます。
室谷代表取締役NemoClawはセキュアで専門特化したエージェントを作るための参照設計(ブループリント)ですね。最新版はエージェント最適化向けで、エージェントの知能を継続的に改善するためのステップバイステップの出発点を提供すると。
テキトー教師DotAI 認定講師ブループリントは「設計図」ですから、ゼロから作るのではなく、安全な型に沿って組み上げられるのが利点です。講座でも受講生さんから「セキュリティをどう担保するか」という声が多いので、この型が公開されている意味は大きいと思います。
室谷代表取締役エージェントは便利な反面、権限を持たせすぎると危ない。だからこそ「何にアクセスし、何をしてよいか」をランタイムで縛る発想は、企業導入では避けて通れない論点なんですよね。
NVIDIA Agent Toolkitの使い方・始め方——オープンソースで何が提供されるか
室谷代表取締役では実際にどう始めるかです。2026年3月の発表資料によると、開発者はbuild.nvidia.comでNVIDIA Agent ToolkitとOpenShellを試せるほか、OpenShellはGitHubからダウンロードして、GeForce RTX搭載PCやノートPC、RTX搭載ワークステーション、DGX StationやDGX Sparkといった環境でローカル実行できるとされています。
テキトー教師DotAI 認定講師推論プロバイダーやNVIDIA Cloud PartnersとしてBaseten、Bitdeer AI、CoreWeave、DeepInfra、DigitalOcean、GMI Cloud、Fireworks、Lightning、Together AI、Vultrの名前が挙げられています。手元で試すにもクラウドで動かすにも選択肢がある、という整理ですね。
室谷代表取締役既存フレームワークとの連携も進んでいます。LangChainとはAI-Q、OpenShell、Nemotronの統合を進めていると。
LangChainはオープンソースフレームワークとして10億回以上ダウンロードされていると資料にありますから、そこでNVIDIAのモデルやランタイムが使えるようになる意味は大きいですよね。
LangChainはオープンソースフレームワークとして10億回以上ダウンロードされていると資料にありますから、そこでNVIDIAのモデルやランタイムが使えるようになる意味は大きいですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師加えて、AI-Qというオープンなエージェントブループリントでは、フロンティアモデルをオーケストレーションに、Nemotronオープンモデルをリサーチに使うハイブリッド構成で、クエリコストを半分以上削減できると3月の資料に記載されています。ただしこれは3月時点の説明なので、今回の拡張でどこまで変わったかは現時点では明らかにされていません。
室谷代表取締役そこは注意が必要ですね。今回の10月の発表は「企業データへの接地」と「アクセス制御」が主眼で、細かい使い方の更新は公式ドキュメントやGTC Berlinのセッションで順次出てくるのだと思います。
Palantir・Databricks・Snowflake・SAP・Zoomなど導入企業の活用事例
テキトー教師DotAI 認定講師ここが今回の発表で一番具体的な部分です。まずPalantirでは、NVIDIAのサプライチェーン組織がPalantir Foundry、Ontology、AIPを通じてAgent Knowledge Foundationを使い、専門エージェントを展開して独自データから実用的な知見を作り、結果を予測し意思決定を最適化していると公式ブログにあります。
室谷代表取締役自社のサプライチェーンでまず使うというのは説得力がありますよね。DatabricksはNVIDIA Kumo AnomalyとDatabricks Genie Ontologyを組み合わせて文脈を理解するエージェントを動かす。
Snowflakeは顧客がSnowflake Notebook環境でNVIDIA Kumo EngineとKumo Relationalオープンモデルを使えるようにして、予測能力を引き出すと。
Snowflakeは顧客がSnowflake Notebook環境でNVIDIA Kumo EngineとKumo Relationalオープンモデルを使えるようにして、予測能力を引き出すと。
テキトー教師DotAI 認定講師データ基盤を持つ企業が、自社のオントロジーやノートブック環境にNVIDIAのモデルを差し込む形ですね。加えてAWS、ClickHouse、Cloudera、Cohesity、Dassault Systèmes、Dell、Elastic、Exa、IBM、NetApp、Oracle、Perplexity、Starburst、VAST DataもAgent Knowledge Foundation上で構築していると記載されています。
室谷代表取締役公式スレッドで紹介されていた活用例も押さえたいですね。Lila Sciencesは治療薬候補の設計、Siemensは工場生産の計画、Dassault Systèmesは車両設計の改良にAIエージェントを使っていると。
テキトー教師DotAI 認定講師3月の発表では、Adobe、Atlassian、Amdocs、Box、Cadence、Cisco、Cohesity、CrowdStrike、Dassault Systèmes、IQVIA、Red Hat、SAP、Salesforce、Siemens、ServiceNow、SynopsysがAgent Toolkitソフトウェアでエージェントを進めているとされていました。今回の発表はその流れの上に、企業データへの接地という層が加わったと見られます。
室谷代表取締役SAPはJoule Studioで、SalesforceはAgentforceで、ServiceNowはAI SpecialistのAutonomous Workforceで、SiemensはFuse EDA AI Agentで、と各社の製品に組み込まれているのが分かります。ZoomのようにNemotron RetrieverをAI Servicesに使う例もあります。
料金・提供範囲——日本から使えるのか、NeMo Agent Toolkitとの関係は
室谷代表取締役料金についてですが、今回の公式ブログと発表資料にはAgent Toolkit自体の価格や有料プランの記載はありません。オープンソースとして提供される構成要素が中心で、個別の商用条件は現時点では明らかにされていません。
テキトー教師DotAI 認定講師提供範囲も同じく、公式に示されているのはbuild.nvidia.comでの試用、GitHubからのOpenShell入手、提携クラウドやパートナー経由での実行環境です。日本国内向けの専用提供や日本語対応についての言及は、今回の資料には見当たりません。
日本から使えるかどうかは、これらのグローバルな提供チャネルを通じて判断する形になります。
日本から使えるかどうかは、これらのグローバルな提供チャネルを通じて判断する形になります。
室谷代表取締役NeMo Agent Toolkitとの関係も改めて整理しておきましょう。公式ドキュメントには、NVIDIA NeMo Agent Toolkitが2026年10月に非推奨となり、年内にEOLとなる告知と移行ガイドへの案内があります。
Agent Toolkitとの包含関係は公式に明記されていないので、既存ユーザーは移行ガイドを確認するのが安全です。
Agent Toolkitとの包含関係は公式に明記されていないので、既存ユーザーは移行ガイドを確認するのが安全です。
テキトー教師DotAI 認定講師ここは受講生さんにも必ず伝えているポイントです。名前が似ているからといって同じものだと決めつけず、公式の告知と移行ガイドを一次情報として確認する。
それが結果的に一番の近道なんですよ。
それが結果的に一番の近道なんですよ。
よくある質問
室谷代表取締役最後に、よく聞かれる点を整理しておきますね。
テキトー教師DotAI 認定講師まず「NVIDIA Agent Toolkitとは何か」。企業データに基づく質問応答や予測を行うAIエージェントを構築するための、NVIDIAのオープンソースツール群です。
Agent Knowledge Foundation、Nemotron RetrieverとKumoファミリー、OpenShell、NemoClaw、NeMo RelayやNeMo Compassなどで構成されると公式ブログに記載されています。
Agent Knowledge Foundation、Nemotron RetrieverとKumoファミリー、OpenShell、NemoClaw、NeMo RelayやNeMo Compassなどで構成されると公式ブログに記載されています。
室谷代表取締役「NeMo Agent Toolkitとの違いは?」については、公式に包含関係の明記がないため、NeMo Agent Toolkitが2026年10月に非推奨となり年内EOLの告知が出ている、という事実までが確認できる範囲です。
テキトー教師DotAI 認定講師「企業データはどう活用するのか」は、Agent Knowledge Foundationがデータを移動せず、既存ワークフローやガバナンスを変えずに、業務概念へ変換してエージェントの知恵にする、という流れです。Auto-Ontologyが顧客・製品・注文といった概念と関係性をマッピングします。
室谷代表取締役「セキュリティはどう担保するのか」は、OpenShellがポリシーベースのセキュリティ、ネットワーク、プライバシー保護を強制するランタイムとして機能し、NemoClawが安全なエージェント構築の参照設計を提供する、という役割分担です。
テキトー教師DotAI 認定講師「誰が使っているのか」は、Palantir、Databricks、Snowflake、SAP、ServiceNow、Zoom、AWS、IBM、Oracle、Perplexity、Dassault Systèmesなどが公式ブログに記載されています。活用の具体像は各社の環境によって異なるため、続報を待ちたいところですね。
室谷代表取締役「料金は?」「日本で使えるのか?」については、今回の資料に価格や国内向け提供の記載はなく、現時点では明らかにされていません。build.nvidia.comやGitHub、提携クラウド・パートナー経由の提供が案内されている、というのが確認できる事実です。
テキトー教師DotAI 認定講師新しい基盤が出るときは、できることだけでなく、どこまでが公式に決まっていてどこからが未定なのかを切り分けるのが大事です。そこを押さえておけば、社内提案でも説得力が変わってきますよ。
