COBOL(コボル)は、OpenAIが2026年10月19日に発表した低リソースプログラミング言語向けコーディング能力強化の中核に据えられた言語で、銀行・政府・企業の基幹システムを支えています。OpenAIは最新モデル群でこのCOBOLを含む言語の「構築」と「移行」の両方を大きく改善したとし、あわせて新しい評価手法を公開しました。
室谷代表取締役OpenAIが2026年10月19日に、COBOL・Fortran・Visual Basicといった低リソース言語でのコーディング能力を強化したと発表したんですよね。地味な見出しに見えて、中身はかなり攻めてる話です。
テキトー教師DotAI 認定講師そうなんですよ。単に「マイナー言語も書けるようになりました」という話じゃないんです。
OpenAIは同時に、その能力をどう測ったのかという評価の仕組みまで出してきている。ここが今回の発表の肝なんです。
OpenAIは同時に、その能力をどう測ったのかという評価の仕組みまで出してきている。ここが今回の発表の肝なんです。
OpenAIのCOBOL・Fortran・Visual Basic対応とは?何が発表されたのか
まとめ
OpenAIのCOBOL・Fortran・Visual Basic対応 発表の要点
- 対象言語はCOBOL、Fortran、Visual Basic、OCaml(PythonやJavaScriptより学習データが少ない「低リソース言語」)
- 低リソース言語でありながら世界中の重要インフラを支えている点をOpenAIが強調
- 能力強化と評価手法がセットで発表された
- 開発者・企業顧客からのフィードバックを起点にしていると明言
- 銀行・政府・企業が依存するソフトウェアの言語として、数十年分のビジネスロジックを理解し、動かしながら近代化を支援するというトーン
- 発表された評価はMultiLangBenchとCOBOL移行評価の2つ
- MultiLangBenchは評価設定・テストスイート・言語ごとの結果がGitHubで公開
- COBOL移行評価は判定内容の説明が中心で、セットの公開までは言及なし
- 最後に次に取り組むべき言語やワークフローの意見を募集
室谷代表取締役まず発表の骨格を整理したいんですけど、OpenAIの公式ブログによると、対象はCOBOL、Fortran、Visual Basic、そしてOCamlもタグに並んでいます。これらはPythonやJavaScriptに比べて、モデルが学習できるコードやドキュメントが少ない言語なんですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師ええ。OpenAIはこうした言語を「低リソース言語」と定義していて、コードや文書が少ないのに世界中の重要インフラを支えている、という点を強調しています。
そして今回は能力強化の話と、評価手法の話がセットで出てきた。
そして今回は能力強化の話と、評価手法の話がセットで出てきた。
室谷代表取締役公式Xのスレッドでも「銀行、政府、企業が依存するソフトウェアを動かしている言語だ」と書かれていて、何十年分のビジネスロジックを理解し、動いているものを保ちながら近代化を助ける、というトーンでした。
テキトー教師DotAI 認定講師ここで大事なのは、OpenAIが「開発者と企業顧客からのフィードバックを起点にしている」と明言していることです。つまり研究ベースの性能自慢ではなく、現場の要望に沿って能力を作っているという建て付けになっている。
室谷代表取締役スレッドの最後も「次にどの言語やワークフローに取り組むべきか教えてほしい」という呼びかけで終わってますからね。企業側の声を集める狙いも見えます。
テキトー教師DotAI 認定講師発表された評価は2つです。1つはMultiLangBench、もう1つがCOBOL移行評価。
前者は評価の設定とテストスイートがGitHubで公開されていると明記されています。後者は評価の内容が説明されている、という整理になります。
前者は評価の設定とテストスイートがGitHubで公開されていると明記されています。後者は評価の内容が説明されている、という整理になります。
室谷代表取締役そこは正確に押さえておきたいところですね。ブログで「GitHubで公開」と書かれているのはMultiLangBenchの評価設定とテストスイート、そして言語ごとの結果までです。
COBOL移行評価については、どういう判定をするかの説明が中心で、セットの公開までは書かれていません。
COBOL移行評価については、どういう判定をするかの説明が中心で、セットの公開までは書かれていません。
GPT-6.1 SolのCOBOL移行精度は86.6%――ベンチマーク数値の全容
GPT-6.1 Sol COBOL移行ベンチマーク比較
GPT-5.6 Sol
- 低推論負荷での精度: 5.4%
- コスト基準: 100%(GPT-6.1 Solは61%)
GPT-6.1 Sol(低推論負荷)
- 精度: 86.6%
- コスト: GPT-5.6 Solの61%(39%減)
テキトー教師DotAI 認定講師数字の話をいきましょう。COBOL移行評価で、GPT-6.1 Solは低い推論負荷の設定で86.6%の精度を達成しています。
比較対象のGPT-5.6 Solは同じ設定で5.4%でした。
比較対象のGPT-5.6 Solは同じ設定で5.4%でした。
室谷代表取締役5.4%から86.6%ですよ。これはもう別次元ですよね。
しかもコストはGPT-5.6 Solの61%、つまり39%減だと。精度が上がって安くなっているわけです。
しかもコストはGPT-5.6 Solの61%、つまり39%減だと。精度が上がって安くなっているわけです。
テキトー教師DotAI 認定講師さらに推論負荷を上げると97.9%に達して、OpenAI自身が「評価がほぼ飽和に近づいた」と表現しています。ここまで来ると、評価セットそのものの難易度を上げる番だというメッセージにも読めます。
室谷代表取締役移行先の言語も明記されていて、C++、Java、Kotlin、Python、Rustの5つ。COBOLのプログラムを、挙動を保ったまま別言語に置き換えられるかを見る評価です。
テキトー教師DotAI 認定講師判定が厳しいのも特徴です。観測可能な出力のバイト単位一致を要求する隠しテストで、すべて通って初めて成功とみなす。
つまり「だいたい動く」では通らないわけです。
つまり「だいたい動く」では通らないわけです。
室谷代表取締役なんでそんなに厳しくするかというと、COBOLの固定小数点演算が曲者だからなんですよね。明示的に丸めを指定しない限り余分な桁を切り捨てる仕様なので、書き換え側で丸めてしまうと、エラーなく動くのに財務結果だけが変わる、という事故が起きる。
テキトー教師DotAI 認定講師これは実務で本当に怖いところです。テストが緑でも数字が合わない、という一番見つけにくいバグになりますから。
OpenAIがバイト単位一致にこだわる理由がここにあります。
OpenAIがバイト単位一致にこだわる理由がここにあります。
室谷代表取締役ちなみにGPT-6.1 Sol自体の提供条件も出ていて、APIは入力100万トークンあたり2ドル、キャッシュ入力が0.10ドル、出力が10ドル。ChatGPT WorkとCodexではPlus、Pro、Business、Enterprise、Eduの各ユーザーが使える一方、Chatではまだ提供されていない、という整理です。
MultiLangBenchとは?20言語でSQLiteを作らせる新評価の中身
GPT-6 Astra と GPT-6 Luna の MultiLangBench 結果比較
GPT-6 Astra
- 20言語平均 87.4%(GPT-5.6 Solは26.8%)
- 20言語中19言語で83%超
- COBOL: 10.9%→72.1%(最も難しい言語として残った)
- OCaml: 25.6%→85.8%
- Fortran: 21.4%→83.5%
- Visual Basic: 27.5%→89.4%
GPT-6 Luna
- 平均 40.3%
- 1サンプルあたり推定APIコスト0.77ドル(GPT-5.6 Solは3.48ドルで約78%減)
- COBOL: 10.9%→17.1%
- Fortran: 21.4%→31.4%
- Visual Basic: 27.5%→41.6%
- 全言語で前モデルを上回り、しかも安い
テキトー教師DotAI 認定講師もう1つの評価、MultiLangBenchの設計がなかなか面白いんですよ。モデルにSQLite互換のデータベースエンジンを、指定された言語でゼロから作らせる。
室谷代表取締役20言語ですよね。C、C#、C++、COBOL、Common Lisp、Fortran、Go、Java、JavaScript、Lean、OCaml、PHP、PowerShell、Python、Ruby、Rust、Scala、Swift、Visual Basic、Zig。
よくぞ揃えたなと。
よくぞ揃えたなと。
テキトー教師DotAI 認定講師仕組みもよくできていて、言語をまたいだ比較のためにデータベースファイルを共通インターフェースにしているんです。候補プログラムが初期DBとSQLクエリを受け取り、変更後のDBを出力する。
それを参照実装のSQLiteで検証する。だから言語が違っても同じテストが使える。
それを参照実装のSQLiteで検証する。だから言語が違っても同じテストが使える。
室谷代表取締役テストはSQLiteの既存テストスイートをこの形式に適合させたものを使っている、と。長いコーディングセッションの中で、どれだけ動く機能を積み上げられるかを見る評価なんですね。
テキトー教師DotAI 認定講師結果を整理するとこうです。
- GPT-6 Astra: 20言語平均87.4%(GPT-5.6 Solは26.8%)、20言語中19言語で83%超
- COBOL: 10.9%→72.1%(最も難しい言語として残った)
- OCaml: 25.6%→85.8%
- Fortran: 21.4%→83.5%
- Visual Basic: 27.5%→89.4%
- GPT-6 Luna: 平均40.3%、1サンプルあたり推定APIコスト0.77ドル(GPT-5.6 Solは3.48ドルで約78%減)
室谷代表取締役Astraはほぼ全言語で83%超えなのに、COBOLだけ72.1%で取り残されている。ここに正直さを感じますよね。
COBOLが一番難しいという事実を隠していない。
COBOLが一番難しいという事実を隠していない。
テキトー教師DotAI 認定講師Lunaの立ち位置も面白いです。COBOLは10.9%→17.1%、Fortranは21.4%→31.4%、Visual Basicは27.5%→41.6%と、Astraには遠いけれど全言語で前モデルを上回り、しかも安い。
用途によってはこれで十分という場面も出てきます。
用途によってはこれで十分という場面も出てきます。
室谷代表取締役評価設定とテストスイートがGitHubで公開されているので、開発者が自分の使う言語の結果を確認して、ギャップを特定できる。この透明性は大きいです。
COBOLが支える金融インフラの規模と、移行が難しい理由
テキトー教師DotAI 認定講師そもそもCOBOLがどれだけ現役かという話をしておきたいんです。OpenAIの資料では、オンラインバンキングシステムの40%超、対面クレジットカード取引の80%、ATM取引の95%をCOBOLが支えているとされています。
室谷代表取締役ATMの95%ですからね。普段意識しないけど、我々が現金を下ろすたびにCOBOLの遺産にお世話になっているわけです。
Fortranも天気予報や原子炉の安全解析に使われていると。
Fortranも天気予報や原子炉の安全解析に使われていると。
テキトー教師DotAI 認定講師で、なぜ移行が難しいか。OpenAIは3つ挙げています。
ドキュメントが不完全なこと、元の開発者が退職していること、重要な業務ルールがコードの中にしか存在しないこと。
ドキュメントが不完全なこと、元の開発者が退職していること、重要な業務ルールがコードの中にしか存在しないこと。
室谷代表取締役これ、現場の感覚と完全に一致するんですよね。仕様書はあるけど古い。
書いた人はもういない。でもコードには当時の業務判断が全部埋まっている。
だから機械的に置き換えると事故る。
書いた人はもういない。でもコードには当時の業務判断が全部埋まっている。
だから機械的に置き換えると事故る。
テキトー教師DotAI 認定講師だからOpenAIは「バグ修正でも移行でも、システムが依存する挙動を保つ必要がある」と書いているわけです。速く書き換えることより、壊さないことのほうが価値を持つ領域なんですよ。
室谷代表取締役ここが生成AIのコーディング支援が一番効きにくかったゾーンだったわけです。学習データが少ない、正解がコードの中にしかない、テストが厳しい。
三重苦だったところに、今回の発表が刺さったと。
三重苦だったところに、今回の発表が刺さったと。
低リソース言語対応でレガシーシステム近代化はどこまで進むか
室谷代表取締役じゃあ、これでレガシー移行が一気に進むのかというと、そう単純でもないんですよね。OpenAI自身が「本番適用には専門家レビューと、業務ルールや依存関係に対するテストがなお必要」と明記しています。
テキトー教師DotAI 認定講師そこは冷静に受け止めるべきです。評価が97.9%まで来ても、残る2.1%が何を意味するかは業務次第です。
金融の元帳なら、2.1%は許容できないかもしれない。
金融の元帳なら、2.1%は許容できないかもしれない。
室谷代表取締役ただ、方向性としては大きいですよ。OpenAIは目標として「未知のリポジトリを理解し、変更を計画し、ビルドツールを使い、テストを走らせ、失敗をデバッグする」というソフトウェアエンジニアリング能力を、より多くの言語に広げたいと書いている。
テキトー教師DotAI 認定講師単発のコード生成ではなく、エージェントとしてリポジトリを扱う話になっているのが今っぽいですよね。Codexのような形で、古いコードベースを読ませて移行計画を立てさせる、という使い方が現実味を帯びてきます。
室谷代表取締役実務的には、いきなり全部移行ではなく、まずは現行COBOLの理解とドキュメント化に使うのが最初の一歩でしょうね。業務ルールがコードにしかないなら、コードからルールを引き出す作業にAIを入れる価値は大きいですから。
テキトー教師DotAI 認定講師講座でも受講生さんから「古いシステムの調査に時間がかかる」という話をよく聞きます。移行そのものより、調査と理解のフェーズで効く、という見方は現場感覚に合いますね。
室谷代表取締役あとコストの話も見逃せません。GPT-6.1 Solは低負荷で86.6%を39%安く出している。
移行作業は試行回数がものを言うので、安く回せることは実務ではかなり効きます。
移行作業は試行回数がものを言うので、安く回せることは実務ではかなり効きます。
日本企業のCOBOL資産にどう活かせるか――提供範囲と実務での注意点
テキトー教師DotAI 認定講師日本の読者としては、自社のCOBOL資産に使えるのかが気になるところです。ここは事実を正確に整理しておきましょう。
室谷代表取締役まず提供範囲。GPT-6.1 SolはChatGPT WorkとCodexでPlus、Pro、Business、Enterprise、Eduの各ユーザーに提供、APIではgpt-6.1-solとして利用可能。
Chatでは未提供です。
Chatでは未提供です。
テキトー教師DotAI 認定講師一方で、日本国内から同じ条件でアクセスできるかどうか、国・地域別の提供条件については今回の発表資料に記載がありません。日本での提供可否は、この発表だけでは確認できない、というのが正確なところです。
室谷代表取締役そこは勝手に「日本でも使えます」と書かないほうがいいですね。公式の提供状況を都度確認する前提で。
テキトー教師DotAI 認定講師実務での注意点は3つに整理できます。1つ目は、評価はあくまで研究環境またはAPIで実施されたもので、本番のChatGPTとはシステムプロンプトやツールの違いで出力が変わり得るとOpenAI自身が注記していること。
室谷代表取締役2つ目は、MultiLangBenchのCOBOLが72.1%で最も難しい言語として残っていること。COBOLはまだ「得意」と言い切れる段階ではなく、人の確認が前提ということです。
テキトー教師DotAI 認定講師3つ目は、移行の成功判定がバイト単位一致という厳しい基準だということ。自社で試すときも、出力の一致を機械的に検証する仕組みを先に用意すべきです。
室谷代表取締役順番としては、現行システムの挙動を記録するテストを整備してからAIに触らせる。これが鉄則ですね。
テストがない状態で移行を始めるのが一番危ない。
テストがない状態で移行を始めるのが一番危ない。
テキトー教師DotAI 認定講師あと、OpenAIが「次に取り組むべき言語やワークフローを教えてほしい」と募集している点も、日本企業にとってはチャンスです。自社の言語や業務パターンを伝えることで、今後のモデル改善に反映される可能性がある。
室谷代表取締役現場の声を出す側が得をするフェーズなのかもしれないですね。COBOL資産を抱えている企業ほど、伝える価値は大きいと思います。
よくある質問
室谷代表取締役ここからは、読者から出そうな質問に答える形で整理しましょう。
テキトー教師DotAI 認定講師まず「COBOL移行の精度はどのくらいか」。GPT-6.1 Solが低い推論負荷で86.6%、高い推論負荷で97.9%です。
従来のGPT-5.6 Solは同じ低負荷設定で5.4%でした。
従来のGPT-5.6 Solは同じ低負荷設定で5.4%でした。
室谷代表取締役「どのモデルが対象か」という点では、COBOL移行評価の主役はGPT-6.1 Sol、MultiLangBenchはGPT-6 AstraとGPT-6 Lunaの結果が示されています。
テキトー教師DotAI 認定講師「MultiLangBenchは何を測るのか」は、SQLite互換のデータベースエンジンを20言語でゼロから構築させ、テスト通過率とAPIコストを測る評価です。テストはSQLiteの既存スイートを応用しています。
室谷代表取締役「評価データは公開されているのか」については、MultiLangBenchの評価設定とテストスイート、言語ごとの結果がGitHubで公開されています。COBOL移行評価は内容の説明が中心で、セットの公開は明記されていません。
テキトー教師DotAI 認定講師「本番の移行にそのまま使えるのか」は、OpenAIが専門家レビューと業務ルール・依存関係に対するテストがなお必要と明記しています。評価の数値は出発点であって、保証ではないということですね。
室谷代表取締役「料金はいくらか」は、GPT-6.1 SolのAPIが入力100万トークンあたり2ドル、キャッシュ入力0.10ドル、出力10ドルです。GPT-6 SolやLunaの価格も別途公表されています。
テキトー教師DotAI 認定講師「日本で使えるのか」は、今回の発表資料に国・地域別の提供条件の記載がないため、現時点では明らかにされていません。公式の提供状況を確認する必要があります。
室谷代表取締役最後に「COBOLはもう不要になるのか」ですが、これは逆で、COBOLが支える基幹系をどう安全に維持し近代化するか、という問題に対してAIが使える武器になり始めた、というのが今回の発表の読み方だと思います。
テキトー教師DotAI 認定講師そうですね。20言語中19言語で83%超という結果と、COBOLだけ72.1%で残るという事実を並べて見ると、OpenAIが正直に現在地を示した回だと感じます。
過度に期待せず、しかし確実に選択肢は増えた。現場としては、テスト整備から始めるのが現実的な一歩でしょう。
過度に期待せず、しかし確実に選択肢は増えた。現場としては、テスト整備から始めるのが現実的な一歩でしょう。
