Nemotron 3.5 Transcribeとは?NVIDIAが発表したオープンウェイト音声認識モデル
まとめ
Nemotron 3.5 Transcribeの要点
- NVIDIAが発表したオープンウェイトの音声認識(Speech to Text)モデル
- 録音済み音声をまとめて文字起こしする非ストリーミング処理に特化
- 総パラメータ30B、推論時に計算へ使うアクティブパラメータは4B
- 評価はArtificial Analysisが実施(NVIDIA自身のベンチマーク公開ではない)
- Artificial Analysisのスレッドで「オープンウェイトの音声認識モデルの中で首位タイ」と記載
- 役割分担:モデルの開発・公開=NVIDIA、独立評価=Artificial Analysis
室谷代表取締役Nemotron 3.5 Transcribe(ネモトロン スリー・ファイブ・トランスクライブ)は、NVIDIAが発表したオープンウェイトの音声認識(Speech to Text)モデルで、録音済みの音声をまとめて文字起こしする非ストリーミング処理に特化したモデルなんですよね。総パラメータ30B、うち推論時に計算へ使うアクティブパラメータが4Bという構成です。
テキトー教師DotAI 認定講師これ、単に「NVIDIAが音声認識モデルを出しました」という話じゃないんですよ。Artificial Analysisが評価結果を公表していて、そこで数字がかなり強いんです。
まずは発表の骨格を押さえましょう。
まずは発表の骨格を押さえましょう。
室谷代表取締役評価を出したのはArtificial Analysisで、NVIDIA自身がベンチマークを公開したわけではない点は整理しておきたいですね。
テキトー教師DotAI 認定講師発表元の整理としては、モデルを開発・公開したのがNVIDIA、それを独立評価したのがArtificial Analysisという役割分担です。ここを混ぜると記事の主語がぶれるので注意したいところです。
室谷代表取締役で、Artificial Analysisのスレッドでは「オープンウェイトの音声認識モデルの中で首位タイ」と書かれているわけです。具体的な数字は次の章で見ていきましょう。
Nemotron 3.5 Transcribeの精度:AA-WER 2.8%でオープンウェイト首位
AA-WER 2.8%の内訳とモデル別比較
AA-WER v2の構成
- AA-AgentTalk(音声エージェント会話): 50%
- VoxPopuli-Cleaned-AA(欧州議会): 25%
- Earnings22-Cleaned-AA(企業決算電話): 25%
- 重み付き平均で総合2.8%
オープンウェイト順位
- 1位タイ: Nemotron 3.5 Transcribe 2.8%
- 1位タイ: Voxtral Small(Mistral)2.8%
- 3位: Inkling(Thinking Machines)3.5%
テキトー教師DotAI 認定講師まずAA-WER Indexの2.8%という数字の意味を整理したいんですよ。WERはWord Error Rate、つまり文字起こしの誤り率です。
正解の文と出力を比べて、置換・挿入・削除がどれだけあったかの割合で、低いほど高精度ということになります。
正解の文と出力を比べて、置換・挿入・削除がどれだけあったかの割合で、低いほど高精度ということになります。
室谷代表取締役2.8%というのは、100語のうち2.8語くらい間違える計算ですから、実用上はかなり高い水準ですよね。しかもこれ、単一のデータセットじゃなくて3つを重み付き平均した指標なんです。
テキトー教師DotAI 認定講師そこが大事なんですよ。AA-WER v2は、音声エージェント会話のAA-AgentTalkが50%、欧州議会の proceedings であるVoxPopuli-Cleaned-AAが25%、企業決算電話のEarnings22-Cleaned-AAが25%という重みで構成されています。
つまり会話・議会・決算電話という性格の違う音声をまたいだ総合値なんですね。
つまり会話・議会・決算電話という性格の違う音声をまたいだ総合値なんですね。
室谷代表取締役なるほど、会話寄りに半分の重みが置かれているのが今っぽいですよね。音声エージェントの実運用を意識した指標設計になっていると。
テキトー教師DotAI 認定講師で、この2.8%がオープンウェイトの中で首位タイ。並んでいるのがMistralのVoxtral Smallで、こちらも2.8%です。
3番手がThinking MachinesのInklingで3.5%ですから、首位集団と3番手の間には少し差があるわけです。
3番手がThinking MachinesのInklingで3.5%ですから、首位集団と3番手の間には少し差があるわけです。
室谷代表取締役さらにNVIDIAの従来モデルとの比較も見ておきたいですね。以前のNVIDIAの最高精度モデルはCanary Qwen 2.5Bで4.3%だったと。
そこから2.8%まで来たという改善幅が示されています。
そこから2.8%まで来たという改善幅が示されています。
テキトー教師DotAI 認定講師しかもデータセット別に見ると、AA-AgentTalkでは1.8%で、これはオープンウェイトの中で最強なんですよ。Voxtral Smallが2.3%ですから、会話用途では明確にリードしているという整理になります。
室谷代表取締役会話データで強いというのは、音声エージェントに組み込む立場からするとかなり気になるポイントですよね。MYUUUでも音声の文字起こしは日常的に使うので、会話の取りこぼしが少ないモデルは素直にありがたいです。
テキトー教師DotAI 認定講師講座でも受講生さんから「会話の文字起こしが一番難しい」という声をよく聞くんですよ。雑談は言い淀みも多いですし、話者が重なることもありますから。
そういう用途で数字が良いのは意味があります。
そういう用途で数字が良いのは意味があります。
Nemotron 3.5 Transcribeのモデルサイズと効率:30B総・4Bアクティブの意味
Nemotron 3.5 Transcribe と比較モデルの効率
Nemotron 3.5 Transcribe
- 総パラメータ 30B
- アクティブパラメータ 4B
- オープンウェイトのAA-WER対アクティブパラメータのフロンティアに位置
- 非ストリーミング用途を担当
Voxtral Small
- アクティブパラメータ 24B
- Nemotron 3.5 Transcribeと同等精度
- アクティブパラメータはNemotronの6倍
室谷代表取締役ここが今回の一番おいしいところなんですよね。総パラメータ30Bで、推論時に計算へ使うアクティブパラメータが4B。
Artificial Analysisはこれを「オープンウェイトのAA-WER対アクティブパラメータのフロンティアに位置する」と表現しています。
Artificial Analysisはこれを「オープンウェイトのAA-WER対アクティブパラメータのフロンティアに位置する」と表現しています。
テキトー教師DotAI 認定講師要は「精度と計算コストのトレードオフ曲線の一番良いところに点が打たれた」という評価なんです。同じ精度のVoxtral Smallはアクティブパラメータが24B。
Nemotron 3.5 Transcribeはその6分の1の4Bで同等精度を出している、と。
Nemotron 3.5 Transcribeはその6分の1の4Bで同等精度を出している、と。
室谷代表取締役6分の1ですよ。推論コストに直結する部分がそこまで小さいのは、運用する側からするとかなりインパクトがありますよね。
テキトー教師DotAI 認定講師しかも資料によれば、同程度のサイズの他のオープンウェイトモデルはWERが4%前後に位置していると。つまり「小さいモデルは精度が落ちる」という従来の前提に対して、このモデルは例外を出しているという整理です。
室谷代表取締役ここで注意したいのが、30B総・4Bアクティブという構成を「Mixture of Expertsだから」と決めつけないことなんですよね。今回のArtificial Analysisの資料には構成の詳細までは書かれていないので、記事としては「総30Bのうち推論時に計算へ使うのは4B」という事実の範囲にとどめるのが正確です。
テキトー教師DotAI 認定講師そうですね。アーキテクチャの内部まで踏み込むと推測になってしまうので、数字として示されている事実だけを押さえる。
これが速報記事では大事です。
これが速報記事では大事です。
室谷代表取締役あと、NVIDIAは別途ストリーミング向けのNemotron 3.5 ASRというモデルも展開しているんですよね。こちらは40言語対応で0.6B。
今回のTranscribeは非ストリーミング用途を担うという位置づけの整理です。
今回のTranscribeは非ストリーミング用途を担うという位置づけの整理です。
テキトー教師DotAI 認定講師同じNemotronファミリーでも、リアルタイムの逐次処理と、録音済み音声のバッチ処理ではモデルの役割が違うわけです。この使い分けは次の章以降でも効いてきます。
Nemotron 3.5 Transcribeの速度と料金:DeepInfraでSpeed Factor 75x・1,000分$2.00
室谷代表取締役精度とサイズが分かったところで、実際に使うときの速度とコストを見たいんですよね。Artificial AnalysisはDeepInfraのホスト環境でベンチマークしています。
テキトー教師DotAI 認定講師結果はSpeed Factor 75x。これは音声の実時間に対して75倍の速さで処理できるという意味で、1分の音声を1秒未満で文字起こしできる計算です。
室谷代表取締役料金は1,000分あたり$2.00。10分の音声なら$0.02という計算ですから、大量の音声をまとめて処理する用途ではかなり現実的なラインですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師ここで比較の整理をしておきたいんですよ。同じ2.8% WERで並ぶMistralのVoxtral Smallは、Mistral提供のエンドポイントでSpeed Factor 56.8、1,000分あたり$4.00です。
精度が並んでいて、速度と価格の両方でNemotron 3.5 Transcribeが有利という見方になります。
精度が並んでいて、速度と価格の両方でNemotron 3.5 Transcribeが有利という見方になります。
室谷代表取締役ただしこれはあくまでArtificial Analysisが測った各プロバイダのエンドポイントでの数字なので、自前でホスティングした場合のコストとは別物です。そこは混同しないようにしたいですね。
テキトー教師DotAI 認定講師そうなんですよ。Speed Factorも価格も「どのプロバイダで動かすか」で変わる指標ですから、比較表を読むときは提供元の列を必ず確認する。
これ、講座でも毎回言っているところです。
これ、講座でも毎回言っているところです。
室谷代表取締役オープンウェイトである以上、DeepInfra以外のホスト環境や自前環境で動かす選択肢もあるわけですが、今回の資料ではDeepInfra以外の提供状況までは明らかにされていません。
テキトー教師DotAI 認定講師そこは速報時点の限界として正直に書くのがよいですね。「現時点では明らかにされていません」と。
Nemotron 3.5 Transcribeの使い方・始め方:非ストリーミング文字起こしの位置づけ
室谷代表取締役じゃあ実際どう使うのかという話ですけど、まず大前提としてこのモデルは非ストリーミング、つまり録音済みの音声をまとめて処理する方式です。リアルタイムに話した端から文字が出てくるタイプではないんですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師ここを間違えると「音声エージェントに組み込んだら遅い」という誤解になるんですよ。リアルタイムの対話用途なら、NVIDIAだとNemotron 3.5 ASRのストリーミング版の出番です。
室谷代表取締役用途で言うと、会議録音の一括文字起こし、ポッドキャストの書き起こし、決算電話の分析、問い合わせ音声のアーカイブ処理みたいな「あとからまとめて処理する」仕事ですね。Speed Factor 75xなので、1時間の音声が1分弱で処理できる計算です。
テキトー教師DotAI 認定講師逆に、電話のオペレーター支援のように逐次で文字を出し続ける必要がある場合は、非ストリーミングでは原理的に成立しません。この見極めが導入時の最初の分岐点になります。
室谷代表取締役あと、オープンウェイトなので自前でホスティングする道もあるわけですが、30B総・4Bアクティブといえどモデル全体を扱う必要があるので、必要なハードウェア要件までは今回の資料では明らかにされていません。ローカル実行の可否も含めて、続報を待つ領域ですね。
テキトー教師DotAI 認定講師手軽に試すなら、まずはホスト型のエンドポイントで精度を確認して、それから自前運用を検討する順番が現実的です。このあたりの評価の考え方はArtificial Analysis Intelligence Index v5とは?9評価・非公開6割の新指標を解説でも触れているので、指標の読み方と合わせてどうぞ。
室谷代表取締役同じNVIDIAの小型モデルだと、NVIDIAの「Nemotron 3.5 Bolt E4B 4GB」とは?4GBで動く小型オープンモデルなんかもあって、Nemotronファミリーが用途別に広がっているのが見えて面白いですよね。
音声認識モデル比較:Whisper・Voxtral・Geminiなどとの実力関係
テキトー教師DotAI 認定講師ここは数字を並べて整理したいところです。まずは主要モデルのAA-WERと、料金・速度の位置関係を見ておきましょう。
室谷代表取締役整理するとこうです。
| モデル | 提供元 | AA-WER | Speed Factor | 1,000分あたり料金 |
|---|---|---|---|---|
| Nemotron 3.5 Transcribe | DeepInfra | 3.4% | 75.0 | $2.00 |
| Voxtral Small | Mistral | 2.8% | 56.8 | $4.00 |
| Voxtral Small Transcribe 3 | Mistral | 2.1% | 64.2 | $4.00 |
| Gemini 3.5 Transcribe | 2.6% | 89.8 | $5.00 | |
| Scribe v2 | ElevenLabs | 2.2% | 70.1 | $3.67 |
| GPT Transcribe | OpenAI | 3.3% | 46.1 | $4.50 |
| Whisper Large v3 | OpenAI | 4.0% | 46.1相当の計測あり | プロバイダにより異なる |
| Parakeet TDT 0.6B V3 | Together AI | 4.5% | 687.0 | $1.50 |
| Canary Qwen 2.5B | Replicate | 4.3% | 8.4 | $0.74 |
テキトー教師DotAI 認定講師ここで一つ注意が必要なんですよ。Artificial AnalysisのスレッドではNemotron 3.5 Transcribeが2.8%で首位タイと発表されていますが、リーダーボードの表ではDeepInfra上の計測値として3.4%と表示されている箇所があります。
プロバイダや計測タイミングによって数字が変わるので、記事では両方を正確に区別して扱うべきところです。
プロバイダや計測タイミングによって数字が変わるので、記事では両方を正確に区別して扱うべきところです。
室谷代表取締役そうですね。スレッドの主張は「オープンウェイト首位タイの2.8%」で、リーダーボードのプロバイダ別表には3.4%の行がある。
どちらもArtificial Analysisの公表値なので、混ぜずに書くのが誠実です。
どちらもArtificial Analysisの公表値なので、混ぜずに書くのが誠実です。
テキトー教師DotAI 認定講師それと、Whisper Large v3はプロバイダによって数字がかなり違います。fal.ai経由で4.1%、Replicate経由で10.1%といった具合です。
同じモデル名でも提供元で性能が変わる典型例ですね。
同じモデル名でも提供元で性能が変わる典型例ですね。
室谷代表取締役だから「Whisperと比べてどうか」という問い自体が、実は「どのプロバイダのWhisperと比べるか」まで指定しないと答えられないんですよね。ここは乗り換え判断で一番ハマりやすいところです。
テキトー教師DotAI 認定講師速度で目を引くのはParakeet TDT 0.6B V3の687xですけど、WERは4.5%ですから精度とのトレードオフがあります。何を優先するかで選ぶモデルが変わるという、教科書的な構図になっています。
室谷代表取締役リアルタイム文字起こしの潮流についてはGemini 3.5 Transcribe発表、高精度リアルタイム文字起こしの新時代でも整理しているので、ストリーミング側の選択肢と合わせて読むと全体像が見えますよ。
テキトー教師DotAI 認定講師まとめると、精度最優先でオープンウェイトを選ぶならNemotron 3.5 TranscribeかVoxtral Small、コストと速度を重視するなら別の選択肢、という整理になります。ただし上位は2%前後でひしめいているので、数値の差だけでなく用途と提供元で選ぶ時代になったということです。
よくある質問:Nemotron 3.5 Transcribeの対応言語・ライセンス・日本での利用は?
室谷代表取締役ここからは読者から出そうな質問に答える形で整理していきましょう。まず対応言語ですけど、今回のArtificial Analysisの資料にはNemotron 3.5 Transcribeの対応言語数は書かれていないんですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師そうなんですよ。混同しやすいのが、NVIDIAのストリーミング向けNemotron 3.5 ASRが40言語・ロケール対応で自動言語検出を備えているという点です。
こちらは公式モデルカードに明記されていますが、Transcribe側の対応言語は現時点では明らかにされていません。
こちらは公式モデルカードに明記されていますが、Transcribe側の対応言語は現時点では明らかにされていません。
室谷代表取締役日本語対応についても、今回の資料では言及がないので「対応している」とは書けません。ここは続報待ちですね。
テキトー教師DotAI 認定講師ライセンスも同じで、Transcribeのライセンス条項は今回の資料には記載がありません。一方でストリーミング版のNemotron 3.5 ASRはOpenMDW License Agreement v1.1に基づくとモデルカードに書かれています。
ファミリー内でも別モデルなので、そのまま流用して書くのは危険です。
ファミリー内でも別モデルなので、そのまま流用して書くのは危険です。
室谷代表取締役日本での利用可否も、現時点では明らかにされていません。ただDeepInfraのホスト型エンドポイントでベンチマークが取られている以上、API経由で試す道はあるという整理ですね。
テキトー教師DotAI 認定講師最後に、このモデルを一言でまとめるなら「オープンウェイトの音声認識で、精度の最前線に立ちながらアクティブパラメータ4Bで計算効率も抑えたモデル」ということになります。非ストリーミングという用途の限定はありますが、その分だけ一括処理の現場では強い選択肢になるでしょう。
室谷代表取締役Artificial Analysisの評価軸そのものに興味がある方はArtificial Analysis Decision Indexとは?決定モデルを評価する新指標もどうぞ。指標の作り方を知ると、今回の2.8%という数字の重みがより立体的に見えてきますよ。
テキトー教師DotAI 認定講師速報としてはここまでです。対応言語やライセンス、日本からの利用条件は、NVIDIAの公式発表が出たタイミングで追いかけたいですね。
