NVIDIA Cosmosは、NVIDIAが2025年1月に発表した物理AI向けのワールドファウンデーションモデルプラットフォームで、ロボットや自動運転車が現実世界を理解・シミュレーションするためのワールドモデルを構築できるものです。2026年10月21日、NVIDIAはGTC BerlinでこのCosmos基盤にデータ生成・学習・評価・配備の実務ツール群を追加したと発表しました。
室谷 代表取締役 NVIDIA Cosmosは、NVIDIAが2025年1月に発表した物理AI向けのワールドファウンデーションモデルプラットフォームで、ロボットや自動運転車が現実世界を理解・シミュレーションするためのワールドモデルを構築できるものなんですよね。今回のGTC Berlinでは、その上に実務ツールが積み増された形です。
テキトー教師 DotAI 認定講師 単にモデルが良くなったという話じゃないんですよ。データを作る、学習させる、評価する、配備するという開発の各段階に道具が入ったのがポイントで、現場で回り始める段階に入ったということです。
室谷 代表取締役 まず何が発表されたかを整理したいんですが、NVIDIAはCosmos Data Factoryのブループリント拡充、Cosmos Frameworkのエージェントスキル化、Cosmos 3のシミュレーション用Nanoモデル群とNIMマイクロサービスの高速化を打ち出しています。
Cosmos 3で何が変わったか
世界生成・物理理解・制御されたシーン生成が別々のモデルとワークフローに分かれていた 物理推論・世界生成・行動生成を単一のオープンモデルに統合 Mixture-of-Transformers構成で統合 2026年5月31日にオープンソース化
テキトー教師 DotAI 認定講師 前提としてCosmos 3がどういうものか押さえましょう。Cosmos 3は2026年5月31日にオープンソース化されていて、物理推論・世界生成・行動生成を単一のオープンモデルに統合したフロンティア基盤モデルです。
室谷 代表取締役 以前のCosmosは世界生成・物理理解・制御されたシーン生成が別々のモデルとワークフローに分かれていたんですよね。Cosmos 3ではMixture-of-Transformers構成でそれを統合した。 今回はその上に実務ツールを載せる発表です。
テキトー教師 DotAI 認定講師 公式ページによると、Cosmosは6つのオープンモデルリーダーボードでトップ5に入っているとされています。そこにデータ、学習、最適化のツールとレシピを足して、配備前に性能を最適化できるようにしたのが今回の位置づけですね。
室谷 代表取締役 つまり「モデル単体」から「開発パイプライン全体」へ、というのが今回の変化なんですよ。MYUUUでも物理AIの案件はデータ収集の段階で詰まることが多いので、そこに道具が入るのは大きいです。
Cosmos Data Factoryの5つのブループリント
自動運転データセット生成
走行データをキュレーション・ラベリングし、捉えにくいシナリオの合成例を追加して学習カバレッジを広げる
画像属性拡張
物体の見た目を変化させて画像検索を改善する
イベント映像生成
静止画から希少・危険な事象の合成映像を作る
欠陥画像生成
プリント基板、金属、ガラスの欠陥画像を検査モデル向けに生成する
映像データ拡張
シーン構造を保ったまま天候や照明を変える
テキトー教師 DotAI 認定講師 Cosmos Data Factoryは、物理AIの学習向けにデータのラベリング・キュレーション・拡張・評価を大規模に行う仕組みです。GPUアクセラレーションされたCosmos Curatorは、マルチモーダル・マルチセンサー入力と処理ブロックに対応しました。
室谷 代表取締役 ここが今回の一番実務的なところですよね。提供される5つのクラウドネイティブなブループリントを整理するとこうです。
自動運転データセット生成:走行データをキュレーション・ラベリングし、捉えにくいシナリオの合成例を追加して学習カバレッジを広げる
画像属性拡張:物体の見た目を変化させて画像検索を改善する
イベント映像生成:静止画から希少・危険な事象の合成映像を作る
欠陥画像生成:プリント基板、金属、ガラスの欠陥画像を検査モデル向けに生成する
映像データ拡張:シーン構造を保ったまま天候や照明を変える
テキトー教師 DotAI 認定講師 これらのブループリントはGitHub、Microsoft Azure、Nebius、CoreWeave経由で利用できるとされています。データ拡張で天候や照明を変えるというのは、実車で雨の日を何百回も走らせる代わりになるわけです。
室谷 代表取締役 危険・希少なシナリオの実データ収集が難しいという物理AIの根本課題に、合成データで正面から答えた形ですね。
Cosmos FrameworkとCosmos 3の主な機能
Cosmos Framework
オープンでモジュール式のモデル学習・最適化ツールとスキルの集合。GTC Berlinでエージェントスキルとしてより多くのオープンモデルに拡張。
対応モデルの適応
GR00T、Alpamayo、QWEN、Pi0.5、その他の互換Hugging Faceモデルをファインチューニングや強化学習で適応。
最適化と配備
蒸留・量子化で最適化し、高性能な推論で配備。
Cosmos 3 Nanoモデル群
シミュレーション用。反復可能で捉えにくいマルチビュー・マルチセンサーのシナリオで自律ポリシーをテスト。
ポリシーの学習・評価
付属コードで自動運転車や双腕ロボットのポリシーを、実世界テスト前にインタラクティブなシミュレーションで学習・評価。
Cosmos 3 NIMマイクロサービス
検証済み構成で品質を落とさず最大2倍高速な推論。連続映像解析でサブ秒のアラートが可能。
Metropolis Blueprint VSS 3.3
映像検索・要約向け。Cosmos NIMマイクロサービス上に構築され、1つのプロンプトから映像AIアプリを作成。同じGPUで40%多くの映像ストリームを監視。
テキトー教師 DotAI 認定講師 次がCosmos Frameworkです。オープンでモジュール式のモデル学習・最適化ツールとスキルの集合で、GTC Berlinではエージェントスキルとしてより多くのオープンモデルに拡張されました。
室谷 代表取締役 具体的にはGR00T、Alpamayo、QWEN、Pi0.5、その他の互換Hugging Faceモデルを、ファインチューニングや強化学習で適応させ、蒸留・量子化で最適化し、高性能な推論で配備できるようになったんですよね。
テキトー教師 DotAI 認定講師 評価と配備の側も見逃せません。シミュレーション用のCosmos 3 Nanoモデル群が追加され、反復可能で捉えにくいマルチビュー・マルチセンサーのシナリオで自律ポリシーをテストできます。
室谷 代表取締役 付属コードで、自動運転車や双腕ロボットのポリシーを実世界テスト前にインタラクティブなシミュレーションで学習・評価できると。あとCosmos 3 NIMマイクロサービスは、検証済み構成で品質を落とさず最大2倍高速な推論を実現し、連続映像解析でサブ秒のアラートが可能になったそうです。
テキトー教師 DotAI 認定講師 映像検索・要約向けのMetropolis Blueprint VSS 3.3はCosmos NIMマイクロサービス上に構築され、1つのプロンプトから映像AIアプリを作れて、同じGPUで40%多くの映像ストリームを監視できるとされています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 ここが説得力のあるパートです。PorscheはVoxel51とMicrosoft Azure経由でCosmos Data Factoryを使い、Volkswagen Group各ブランドにまたがる共有の自動運転データフライホイールを主導しています。
室谷 代表取締役 反復的な実車テスト走行を最大90%削減し、開発サイクルを最大85%短縮する見込みとされています。これは数字としてかなりインパクトありますよね。
テキトー教師 DotAI 認定講師 SiemensはFOXブループリントで作ったエージェントをIntelligence Center Xに統合し、根本原因の特定と工場運用の調整を支援して推定20%のコスト削減を見込むとされています。
室谷 代表取締役 さらにSiemensのProcess Preparation XエージェントはCosmos Data Factoryのツールとスキルで基板検査用の欠陥画像を生成し、エアランゲンの電子工場で検査プロセスのキャリブレーション時間を40%削減したと。
テキトー教師 DotAI 認定講師 Mercedes-BenzはNVIDIA Cosmos 3とMetropolis VSSブループリントを使い、車両検査やフロントガラス組み付け検証のエージェントを構築して、逸脱を検知し品質を保っているとされています。
室谷 代表取締役 他にもANYboticsがCosmos Data Factoryブループリントで1,500本以上の合成ビデオクリップを生成し、Encordのプラットフォームで検証して、液体のこぼれなどの変化を認識する産業検査ロボットを訓練したそうです。Ultralyticsは実画像と合成欠陥画像でYOLOモデルを再学習し、欠陥の位置特定と再現率を改善したと。
テキトー教師 DotAI 認定講師 ADNOCはFogsphereのMistIQエージェント型プラットフォームをCosmosとMetropolis VSSブループリントで構築し、65拠点で安全ハザードをリアルタイム検知しています。希少事象にはCosmos Data Factoryで合成データを生成し、危険な状況を物理的に演出せずに検出精度を高めているんです。
室谷 代表取締役 研究側ではMicroAGIが物体操作の動画でCosmos 3をポストトレーニングし、320億パラメータのリーズナーを精度を落とさず80億パラメータのNanoモデルに蒸留したと。Roboflow上でデータをラベリングしてCosmos 3をポストトレーニングし、自社環境やタスク向けに配備する流れも示されています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 そもそも物理AIは、ロボットや自動運転車など現実世界で知覚・判断・行動するAIシステムです。その中核がワールドモデルで、過去の観測と入力から将来の環境状態を予測し、物理法則に沿った映像などを生成します。
室谷 代表取締役 ここで効いてくるのがデータなんですよね。危険・希少なシナリオは実データを集めにくい。 だから合成データで補い、シミュレーションで評価し、最適化してから実世界に出す。この一連の流れを1つのプラットフォームで回せることに意味があります。
テキトー教師 DotAI 認定講師 講座で受講生さんに説明するときも、モデル単体の性能より「データをどう用意し、どう評価するか」でつまずく方が多いんですよ。Cosmos Data FactoryとCosmos Frameworkがそこを埋める形になっています。
室谷 代表取締役 あとCosmos 3のアーキテクチャも押さえておきたいです。リーズナータワーが画像・映像・テキストを解釈するVLMで、ジェネレータタワーが拡散プロセスで物理を考慮した映像と行動を生成する。 リーズナーは単独で呼べるけど、ジェネレータは常に両方のタワーを起動する構造です。
テキトー教師 DotAI 認定講師 モデルサイズはCosmos 3 Nanoが160億パラメータでワークステーション級のRTX PRO 6000 GPUでのリアルタイム推論向け、Cosmos 3 Superが640億パラメータでデータセンターのHopperやBlackwell GPU向けとされています。用途で選べるわけですね。
室谷 代表取締役 評価の面ではHUE(Cosmos Human Evaluation)という枠組みもあって、生成映像を単一事実のYes/Noに分解して検証する。自動リーダーボードが飽和する中で、客観的な品質比較をしようという発想なんですよね。
テキトー教師 DotAI 認定講師 では実際どう始めるかです。Cosmos 3 NanoとSuperのチェックポイントはHugging Face、コードはGitHubで公開されています。
室谷 代表取締役 NIMマイクロサービスを使う場合はNVIDIA NGCのAPIキーが必要で、コンテナを引いて実行する形ですね。Cosmos 3 Reasoner NIMは提供中で、Generator NIMは今後提供予定とされています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 ライセンス周りも正確に押さえたいところです。NIMの利用はNVIDIA Software License AgreementとNVIDIA AI Productsの製品別条項に従い、モデル自体はLinux FoundationのOpenMDW 1.1ライセンスで提供されるとされています。
室谷 代表取締役 提供地域はグローバルとされています。Nanoはワークステーション級GPU、SuperはデータセンターGPUという前提はありますが、オープンモデルとデータセット、学習レシピが揃っているので試し始めるハードルは下がっていますね。
テキトー教師 DotAI 認定講師 データ生成はCosmos Data Factory、学習・適応はCosmos Framework、配備はNIMマイクロサービスという役割分担を覚えておけば、どこから手を付けるか迷わないですよ。
Q. NVIDIA Cosmosとは何ですか?
A. NVIDIAが発表した物理AI向けのワールドファウンデーションモデルプラットフォームです。ロボットや自動運転車が現実世界を理解・シミュレーションするためのワールドモデルを、データキュレーションから学習、カスタマイズまで一貫して構築できます。
Q. Cosmos 3の新機能は何ですか?
A. 物理推論・世界生成・行動生成を単一のオープンモデルに統合した点です。Mixture-of-Transformers構成でリーズナータワーとジェネレータタワーを持ち、従来のように複数モデルをオーケストレーションする必要がなくなります。
Q. 利用に費用はかかりますか?
A. 料金体系についての詳細は今回の発表では明らかにされていません。モデルはOpenMDW 1.1ライセンス、NIMはNVIDIAのライセンス条項に従うとされています。
Q. 日本からも使えますか?
A. 提供地域はグローバルとされています。チェックポイントはHugging Face、コードはGitHubで公開されています。
Q. どんな企業が使っていますか?
A. Porsche、Mercedes-Benz、Siemens、ANYbotics、Ultralytics、ADNOC、MicroAGI、Roboflowなどが、自動運転、ロボティクス、工場運用の分野でCosmosを活用していると発表されています。