Perplexity Decider v1.1(ディサイダー・ブイワンイチ)は、Perplexityが2026年10月7日に公開した決定モデルで、テキスト・JSON・画像を入力として受け取り、文章ではなく確率付きの型付き回答を返します。このモデルがOpenRouter経由で使えるようになったと、OpenRouterが発表しました。
室谷 代表取締役 これ、地味に見えてかなり面白いんですよね。チャットモデルが「文章を書く」のに対して、Deciderは「確率を返す」という別種のモデルなんです。
テキトー教師 DotAI 認定講師 そうなんですよ。単に新しいモデルが出たという話じゃなくて、AIの使い方のカテゴリがひとつ増えた話なんです。 まず何が発表されたかを整理しましょう。
室谷 代表取締役 OpenRouterの発表によると、Perplexityのオープンウェイトなマルチモーダル決定モデルがOpenRouterで使えるようになった、と。入力は100万トークンあたり$0.02で、出力は無料。
テキトー教師 DotAI 認定講師 ここで大事なのは、発表元と提供元の整理です。モデルを作っているのはPerplexity、それをOpenRouter経由で呼べるようにしたのが今回の発表、という構図ですね。
室谷 代表取締役 そうそう。だから「OpenRouterがモデルを作った」わけじゃないんですよね。 OpenRouterは複数のAIモデルを単一のAPIで使えるようにするプラットフォームで、今回はPerplexityのモデルがそこに載ったという話です。
Decider v1.1 と 従来のチャットモデル型エージェントの比較
state(テキスト・JSON・画像)を読む 1リクエスト内の複数の名前付き質問に回答 型付きで確率的な回答を返す 文章は生成しない 分類・ルーティング・モデレーション・ルーブリック採点向け コード側でしきい値と比較して判断 出力パース不要 確信度の指標がある 「次にクリックすべき要素」を文章で説明させる 返答から要素を解析(パース) モデルの確信度の指標がない 言い回しが変わるとパースが失敗しやすい クリックを間違えても推測か確信か分からない
テキトー教師 DotAI 認定講師 まず定義から確認しましょう。Decider v1.1は、Perplexityの決定モデルの新しいチェックポイントで、前バージョンのDecider V1 27Bの後継です。 APIの契約は同じものを引き継いでいます。
室谷 代表取締役 「チェックポイント」という言い方なんですよね。つまりAPIの使い方はそのまま、中身のモデルが更新されたという位置づけです。 既にV1を使っていた人にとっては、モデル名を差し替えるだけで乗り換えられる、と。
テキトー教師 DotAI 認定講師 そこは実務的に大きいですよね。講座でも「APIの契約が変わると移行コストが発生する」という話をよくするんですが、今回はその心配が要らない。
室谷 代表取締役 で、何をするモデルかというと、stateとして渡された内容、つまりテキスト・JSON・画像を読み、1回のリクエストに含まれる1つ以上の名前付きの質問に対して、型付きで確率的な回答を返す。文章は生成しないんです。
テキトー教師 DotAI 認定講師 分類、ルーティング、モデレーション、ルーブリック採点のために作られていて、アプリケーション側のコードが返ってきた数値をしきい値と比較して判断する。チャットの返答をパースする必要がないわけです。
室谷 代表取締役 MYUUUでも、エージェントに「次に何をすべきか」を文章で答えさせて、それを正規表現で拾うみたいな実装をしたことがあるんですけど、あれは本当に壊れやすいんですよ。モデルがちょっと違う言い回しをしただけでパースが失敗する。
テキトー教師 DotAI 認定講師 まさにそこが課題として資料にも書かれています。多くのブラウザエージェントは「次にクリックすべき要素」をチャットモデルに文章で説明させ、その返答から要素を解析していたけれど、モデルがどれだけ確信していたかの指標がなかった。
室谷 代表取締役 クリックを間違えても、それが推測だったのか確信だったのか分からない。これは運用していて一番つらいやつですよね。
テキトー教師 DotAI 認定講師 Deciderは文章ではなく確率を返すので、コード側でしきい値を設けて判断でき、出力パースも不要になる。ここが本質です。
Decider v1.1の3つの質問形式
Yes/No質問、または確認したい命題に対して「Yesである確率」を0〜1で返す 回答の中身: 確率そのもの 自分で定義した選択肢それぞれの確率と、最も確からしい選択肢を返す 回答の中身: 最も確率の高い選択肢と全選択肢の確率 選択肢は1〜255個
室谷 代表取締役 質問形式が3種類あるんですよね。ここが一番おさえておきたいところです。
テキトー教師 DotAI 認定講師 整理するとこうです。
noul : Yes/No質問、または確認したい命題に対して「Yesである確率」を0〜1で返す
choice : 自分で定義した選択肢それぞれの確率と、最も確からしい選択肢を返す
score : 順序付きの評価基準(ルーブリック)の各段階の確率と、期待スコアを返す
室谷 代表取締役 名前が独特ですよね。noulは「no/yes」的なニュアンスなんでしょうけど、公式ドキュメントでもこの表記なので、そのまま使うのがよさそうです。
テキトー教師 DotAI 認定講師 それぞれの回答の中身も見ておきましょう。noulは確率そのもの、choiceは最も確率の高い選択肢と全選択肢の確率、scoreは確率で重み付けした平均スコアと、各段階の確率分布が返ります。
室谷 代表取締役 scoreが面白くて、例えば「Cosmetic / Inconvenient / Product unusable」の3段階だと、返ってくるスコアが1.78みたいに段階の間に落ちるんですよ。
テキトー教師 DotAI 認定講師 そうなんです。公式ドキュメントの例でも、1.78という値が「Inconvenient(1)」と「Product unusable(2)」の間で、2に近いところに位置する、と説明されています。
室谷 代表取締役 これ、人間の評価だと「1か2か」で揉めるところを、確率の分布として出してくれるわけですよね。ルーブリック採点の解像度が上がる。
テキトー教師 DotAI 認定講師 しかも1回のリクエストで、同じ内容について最大128個の質問をまとめて投げられます。
室谷 代表取締役 128個は多いですよね。1件のレビューに対して「欠陥があるか」「感情はどうか」「深刻度はどれくらいか」を同時に聞ける。 公式ドキュメントの例がまさにその3問構成です。
テキトー教師 DotAI 認定講師 制限値も整理しておくと、choiceの選択肢は1〜255個、scoreの段階は1〜10個です。ただしscoreは段階が1つだと決めることが何もないので、常にスコア0・確率1が返る仕様になっています。
室谷 代表取締役 そこは仕様として明記されているので、実装するときは最低2段階にしましょう、ということですね。
Decider v1.1をOpenRouter経由で使う流れ
01 APIキーを用意
PerplexityのAPIキーを準備する
02 エンドポイントへPOST
https://api.perplexity.ai/v1/decisions にPOSTする
03 認証ヘッダーを設定
Authorization: Bearer <APIキー> の形式で送る(x-api-keyでは401)
04 リクエスト内容を指定
モデル名、stateとして渡すコンテンツ、名前付きの質問群を渡す
05 質問を定義
質問にはtype、判断内容のinstructions、必要に応じてcriteriaを書く
06 レート制限に注意
全プラン共通で毎秒10リクエスト。大量バーストにはトークン制限も併用
07 429時は再試行
Retry-Afterヘッダーの秒数だけ待って再試行する
08 タイムアウトを設定
入力サイズに合わせてクライアントのタイムアウトを設定する
テキトー教師 DotAI 認定講師 使い方の流れを確認しましょう。OpenRouter経由で使う場合も、PerplexityのAPIを直接叩く場合も、基本的な考え方は同じです。
室谷 代表取締役 公式ドキュメントのクイックスタートだと、PerplexityのAPIキーを用意して、 https://api.perplexity.ai/v1/decisions にPOSTする、という流れになっています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 リクエストの中身は、モデル名、stateとして渡すコンテンツ、そして名前付きの質問群です。質問には種類(type)と、何を判断するかの指示(instructions)、必要に応じて基準(criteria)を書きます。
室谷 代表取締役 認証は Authorization: Bearer <APIキー> の形式で、 x-api-key ヘッダーでは読まれないので401が返る、と明記されています。ここはハマりどころですよね。
テキトー教師 DotAI 認定講師 エンドポイントも厳密で、末尾にスラッシュを付けると404、POST以外のメソッドだと405が返ります。
室谷 代表取締役 あと地味に大事なのが、レート制限が全プラン共通で毎秒10リクエスト、と決まっていることです。大量バーストにはトークン制限も併用されると。
テキトー教師 DotAI 認定講師 429が返ったときは Retry-After ヘッダーの秒数だけ待って再試行する、という設計ですね。
室谷 代表取締役 タイムアウトの目安も公開されていて、数百トークンの入力なら2秒未満、約9万トークンで5秒、約19万トークンで14秒、入力上限ぎりぎりで23秒だったと。クライアントのタイムアウトは入力サイズに合わせて設定しましょう、と書かれています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 公式のクックブックには、ブラウザエージェントをDeciderで動かす例も公開されています。ページ上のクリック可能な要素に番号を振ってスクリーンショットを撮り、6つの質問を投げて、返ってきた確率をコード側のしきい値と比較してクリックやスクロールを決める、という構成です。
室谷 代表取締役 モデルは一切クリックしない、判断は全部コード側のポリシーがやる、という分担が徹底されているんですよね。これはエージェント設計の参考になります。
テキトー教師 DotAI 認定講師 講座でも、こういう「モデルに決めさせない、モデルには材料を出させる」という設計は受講生さんに伝えているところです。
室谷 代表取締役 料金は入力100万トークンあたり$0.02、出力は無料。しかもv1の半額になったと発表されています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 出力が無料というのは、そもそも文章を生成しないモデルだから成立する価格体系ですよね。
室谷 代表取締役 そうなんですよ。出力トークンがほぼ発生しないので、コスト構造がチャットモデルとまったく違う。 公式ドキュメントでも、出力トークンは無料でリクエストごとの課金もない、入力トークンは各レスポンスの usage.input_tokens の値で計算できる、と説明されています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 コンテキストは262Kで、リクエストあたりの入力トークンはstate・画像・すべての質問を合わせて262,144未満という制限です。
室谷 代表取締役 OpenRouter側のページでは、このモデルは単一プロバイダ(Perplexity)がホストしていて、レイテンシはP50で0.27秒、と表示されています。
テキトー教師 DotAI 認定講師 単一プロバイダなので、OpenRouterがルーティング先を選ぶ余地がない、リクエストは直接転送される、という説明になっていますね。
室谷 代表取締役 画像を使うときの制約も細かくて、PNG・JPEG・WebPのデータURLを受け付け、httpやhttpsのURLは400になる。APIがURLを取りに行くことはないんです。
テキトー教師 DotAI 認定講師 画像は32×32ピクセルのタイルで読まれ、1画像あたり2,048タイル以下に収める必要があります。1440×1440や2048×1024は収まるけれど、1600×1310は収まらない、と例示されています。
室谷 代表取締役 大きすぎる画像は400ではなく、1分ほど待って504が返る、というのも注意点ですよね。事前にリサイズしておきましょう、と。
テキトー教師 DotAI 認定講師 画像トークンはテキストと同じように入力トークンとしてカウントされ、公式のテストでは1メガピクセルあたり約1,000入力トークンだったと記載されています。
室谷 代表取締役 v1からの変更点は大きく2つです。画像入力に対応したことと、料金が半額になったこと。
テキトー教師 DotAI 認定講師 資料によると、V1ではOpenRouter上でテキストとJSONのみ対応で、画像入力は未対応でした。V1.1で画像入力に対応し、マルチモーダル化されたわけです。
室谷 代表取締役 さっきのブラウザエージェントの例がまさにそうで、スクリーンショットをそのまま渡せるから成立する設計なんですよね。v1だと画像が渡せないので、この使い方はできなかった。
テキトー教師 DotAI 認定講師 そしてベンチマークです。Perplexityの発表では、新しいHugging Face Decision Index 0.3で最高スコアを記録したとされています。
室谷 代表取締役 ここは数字を正確に扱いたいところです。発表で示されているのは「Decision Index 0.3で最高スコア」という点で、具体的なスコアの内訳については今回のソースでは明らかにされていません。
テキトー教師 DotAI 認定講師 そうですね。11のベンチマークやDecision Index 56.4→61といった数値は、今回与えられたソースでは確認できないので、記事では触れずにおきます。
室谷 代表取締役 憶測で数字を書かないのは大事ですよね。ただ「最高スコアを記録した」という発表自体は、Perplexityの公式アナウンスに基づく事実です。
テキトー教師 DotAI 認定講師 あわせて、このモデルはオープンウェイトとして提供されている、という点も押さえておきたいです。
室谷 代表取締役 オープンウェイトということは、自前でホストする選択肢もあるわけですよね。OpenRouter経由でAPIとして使うか、重みを取得して自分で動かすか。
テキトー教師 DotAI 認定講師 ただし、ライセンスの名称や商用利用の可否といった細かい条件は、今回のソースでは明らかにされていません。導入検討時は配布ページで確認が必要です。
室谷 代表取締役 じゃあ実際どこで使うのか、という話ですよね。公式が挙げているのは分類、ルーティング、モデレーション、ルーブリック採点です。
テキトー教師 DotAI 認定講師 サポートチケットの振り分けは典型例ですね。請求、配送、その他、といった選択肢を定義して、それぞれの確率と最も確からしいものを返させる。
室谷 代表取締役 で、確率が低いものだけ人間に回す、と。しきい値で運用を分けられるのが気持ちいいんですよ。
テキトー教師 DotAI 認定講師 公式ドキュメントには、12件のチケットを3問ずつで振り分けて、エスカレーションだけをAgent APIに送る、というクックブックも用意されています。
室谷 代表取締役 あと、モデレーションも相性がいいですよね。文章で「これは不適切です」と言われるより、確率で返ってきたほうがポリシーとして扱いやすい。
テキトー教師 DotAI 認定講師 しかも、同じリクエストで複数の観点を同時に判定できます。1回の呼び出しで、有害性、スパム性、トピック分類をまとめて聞けるわけです。
室谷 代表取締役 コスト的にも、入力$0.02/Mで出力無料なので、大量のコンテンツをさばくバッチ処理と相性がいいんですよね。
テキトー教師 DotAI 認定講師 逆に、文章を書かせたい用途には向きません。公式ドキュメントにも、返答を書いたりコードを生成したり推論を説明したりはしない、と明記されています。
室谷 代表取締役 そこを誤解すると「思った答えが返ってこない」となるので、用途の切り分けが大事です。
テキトー教師 DotAI 認定講師 もうひとつ実務的な注意点として、公式ドキュメントには、同一のリクエストは通常は同一の数値を返すけれど、まれに小数点第2位で異なることがあるので、しきい値には余裕を持たせるように、と書かれています。
室谷 代表取締役 これは運用で効いてくるやつですよね。0.5ぎりぎりのしきい値を置くと、たまに挙動が変わる。
テキトー教師 DotAI 認定講師 あと、choiceとscoreの回答に含まれる confidence は、モデル自身の確信度であって、最大確率そのものではない、という説明も重要です。公式の例では、最大確率が0.95で確信度が0.93でした。
室谷 代表取締役 2番手が僅差だと確信度が下がる、という挙動なんですね。ここを混同すると判定ロジックを間違えます。
テキトー教師 DotAI 認定講師 まとめると、Decider v1.1は「AIに決めさせる」のではなく「AIに材料を出させて、コードが決める」という設計のためのモデルです。この発想の転換が、今回の発表の一番おいしいところですね。
室谷 代表取締役 そうなんですよ。エージェントを作っている人ほど刺さる話だと思います。 出力をパースする世界から、確率をしきい値で扱う世界に変わる。地味ですけど、実装の質が一段変わるんですよね。
Q. Perplexity Decider v1.1は何をするモデルですか?
A. テキスト・JSON・画像をstateとして受け取り、文章ではなく確率付きの型付き回答を返す決定モデルです。分類、ルーティング、モデレーション、ルーブリック採点など、アプリ側のコードが数値をしきい値で判断する用途を想定しています。
Q. 料金はいくらですか?
A. 入力100万トークンあたり$0.02、出力は無料です。リクエストごとの課金はありません。v1の半額になったと発表されています。
Q. コンテキスト長はどれくらいですか?
A. 262Kです。リクエストあたりの入力トークンは、state・画像・すべての質問を合わせて262,144未満という制限があります。
Q. v1からの変更点は何ですか?
A. 画像入力に対応してマルチモーダル化されたこと、料金が半額になったこと、そして新しいHugging Face Decision Index 0.3で最高スコアを記録したと発表されたことです。APIの契約はv1から引き継がれています。
Q. どこで使えますか?
A. OpenRouter経由で提供が開始されています。OpenRouter上では単一プロバイダ(Perplexity)がホストし、レイテンシはP50で0.27秒と表示されています。PerplexityのAPIを直接呼ぶ場合は https://api.perplexity.ai/v1/decisions を使います。
Q. 画像はどうやって渡しますか?
A. stateを配列にして、OpenAI形式のimage partとしてbase64のデータURLを入れます。PNG・JPEG・WebPに対応し、httpやhttpsのURLは400になります。1画像あたり2,048タイル(32×32ピクセル)以下に収める必要があります。
Q. オープンウェイトモデルとして自前でホストできますか?
A. このモデルはオープンウェイトとして提供されていると発表されています。ただし、配布ページやライセンス条件の詳細は今回のソースでは明らかにされていません。導入時は配布元で確認してください。