「LOL、アクセスできた」──元Appleエンジニアが残した決定的な証拠
室谷代表取締役ちょっと、これはヤバいニュースが飛び込んできましたね。Fortuneが報じたAppleとOpenAIの訴訟。
元Appleエンジニアが退職後も内部ファイルサーバーにアクセスできちゃったっていう「LOL」事件です。
元Appleエンジニアが退職後も内部ファイルサーバーにアクセスできちゃったっていう「LOL」事件です。
テキトー教師.AI認定講師はい、室谷さん。AI業界の秘密保護問題を考える上で、かなり象徴的なケースですね。
BloombergのMark Gurman記者が書いた記事ですが、訴状の内容がかなり具体的で驚きました。
BloombergのMark Gurman記者が書いた記事ですが、訴状の内容がかなり具体的で驚きました。
室谷代表取締役まず核心から。2026年7月10日付でAppleがカリフォルニア州の連邦裁判所に起こした訴訟によると、iPhoneエンジニアだったChang Liuという人物がOpenAIのハードウェア部門に転職した後、自分にまだ内部ネットワークストレージへのアクセス権限が残っているのを見つけて、元同僚のAlyssa Pengに「LOL、ネットワークストレージにアクセスできるのを見つけた、面白い」とメッセージを送ったんです。
テキトー教師.AI認定講師その「LOL」が決定的な証拠になったわけですね。Appleの主張では、Liuはそのバグを利用してプレゼン資料、ハードウェア設計図、製造詳細、試験手順などをダウンロードした。
しかも、すでにOpenAIに在籍している最中に。
しかも、すでにOpenAIに在籍している最中に。
室谷代表取締役さらにPengが「I'm ready」と返信して、自分のラップトップでも情報収集を手伝った。そして数ヶ月後の4月、Peng自身もOpenAIのハードウェア部門に転職したそうです。
Appleはこれを「組織的な秘密情報の取得・保持・利用」の一環だと主張しています。
Appleはこれを「組織的な秘密情報の取得・保持・利用」の一環だと主張しています。
Appleが主張する3つの不正行為とは?未返却のMacBook、内部情報を漏らした同僚、ソフトウェアのバグ
室谷代表取締役訴状では、Liuが退職時に持ち出した3つのものを明確に挙げています。整理するとこんな感じです。
テキトー教師.AI認定講師はい、箇条書きでまとめましょう。
- 会社支給のMacBookを返却しなかった
- 元同僚Alyssa Pengとの関係を維持し、彼女が内部情報を継続的に共有した
- 内部ファイルサーバーにアクセスし続けられるソフトウェアのバグを知っていて、それを悪用した
室谷代表取締役特にバグの悪用が重いですよね。本来なら退職と同時にアクセス権限は無効になるはずですが、システムの不具合で有効なまま残っていた。
Liuはそれを発見して、意図的にダウンロード行為に及んだ。
Liuはそれを発見して、意図的にダウンロード行為に及んだ。
テキトー教師.AI認定講師その点、Appleは「窃取された情報はハードウェア設計、製造工程、試験手順など多岐にわたる」と主張しています。OpenAIがハードウェア開発に本格参入するにあたり、Appleの何十年ものノウハウを丸ごと複製しようとした、というのがAppleの主張です。
室谷代表取締役訴状は40ページに及び、OpenAIがAppleの現役社員に対して面接前に秘密資料を勉強するよう促したり、ハードウェア部品や試作品をOpenAIのオフィスに持ち込ませる「ショーアンドテル」セッションを開いていたとも書かれています。
OpenAIのハードウェア部門に転職したエンジニア、Chang Liuとは何者か
室谷代表取締役さて、主役の一人、Chang Liuですが、Fortuneの記事からどんな人物像が浮かび上がりますか?
テキトー教師.AI認定講師記事によれば、彼はiPhoneエンジニアで、OpenAIの「nascent hardware division(設立間もないハードウェア部門)」に転職したとされています。OpenAIは2024年ごろからハードウェア開発に本格参入しており、Liuはその中核メンバーとして引き抜かれた可能性が高い。
室谷代表取締役彼が転職した動機の一つとして、報酬面が挙げられています。記事には、OpenAIが提示した給与とストックオプションがAppleの「less dazzling pay packages」を上回ったと書いてある。
Apple以上に高額な報酬を出せるAI企業に、優秀なエンジニアが流れる構図ですね。
Apple以上に高額な報酬を出せるAI企業に、優秀なエンジニアが流れる構図ですね。
テキトー教師.AI認定講師そして、Pengも含めてOpenAIのハードウェア部門には400人以上の元Apple社員が在籍しているとAppleは主張しています。これは単なる個人の逸脱ではなく、組織的な引き抜きと情報収集体制があると見ている証拠です。
室谷代表取締役ただし、OpenAIは声明で「他社の営業秘密には一切関心がない」と否定しています。フォーチュン記事内でも引用されています。
「私たちは、世界中の人々に力を与える革新的技術の構築に集中している」と。
「私たちは、世界中の人々に力を与える革新的技術の構築に集中している」と。
なぜAppleは訴訟を起こしたのか?AI競争激化の裏で問われる情報管理
室谷代表取締役そもそもAppleとOpenAIは、以前から提携関係にもあったわけですよね。2024年のWWDCでSam Altmanが登壇した写真が記事にも載っています。
ところが、今や両社はAIデバイス市場で直接競合する間柄になった。
ところが、今や両社はAIデバイス市場で直接競合する間柄になった。
テキトー教師.AI認定講師その通りです。Appleは長年iPhoneで成功してきましたが、AI機能の統合や次世代デバイス開発でOpenAIと競争しています。
OpenAIがハードウェア部門を拡大しているのは、iPhoneを代替するような新しいデバイスを作ろうとしているから。Appleからすれば、自社の設計思想や製造ノウハウが競合に渡るのは絶対に避けたい。
OpenAIがハードウェア部門を拡大しているのは、iPhoneを代替するような新しいデバイスを作ろうとしているから。Appleからすれば、自社の設計思想や製造ノウハウが競合に渡るのは絶対に避けたい。
室谷代表取締役それに加えて、過去にもAppleは元従業員による営業秘密漏洩で訴訟を起こしています。GoogleやTeslaなど他社も同様。
AI業界全体が人材の流動性が高く、転職に伴う秘密情報の持ち出しが後を絶たないのが実情です。
AI業界全体が人材の流動性が高く、転職に伴う秘密情報の持ち出しが後を絶たないのが実情です。
テキトー教師.AI認定講師今回の訴訟でAppleは、損害賠償に加えてOpenAIによる秘密情報の使用差し止めも求めていると思われます。営業秘密保護法(Defend Trade Secrets Act)に基づく強硬な姿勢ですね。
室谷代表取締役この事件が示唆するのは、AI競争の激化に伴い、企業間の情報管理と法的な対立がさらにエスカレートするということ。特に、OpenAIのような急成長企業が伝統的なハードウェア企業の人材を大量に引き抜く場合、秘密情報の取り扱いが重大なリスクになる。
エンジニアの転職と営業秘密漏洩──よくある質問(FAQ)
室谷代表取締役最後に、読者が気になりそうなポイントをFAQ形式でまとめておきましょう。
テキトー教師.AI認定講師はい、私の方からいくつか。
Q: なぜ「LOL」という発言が重要な証拠なのか? A: 意図的にアクセス権限が残っていることを認識しながら、それを面白がって悪用したことを示す決定的な証拠だからです。過失ではなく故意の不正アクセスと見なされます。
Q: 元従業員が退職後もMacBookを返却しないのはよくあるの? A: 多くの企業で返却手続きは徹底されていますが、特にエンジニアは複数台のデバイスを保有することがあり、見落としが発生することもあります。ただし、その状態で機密情報にアクセスすれば重大な違反になります。
Q: OpenAIは本当に組織的にAppleの秘密を盗もうとしたの? A: Appleはそう主張していますが、OpenAIは否定しています。現時点では裁判所の判断を待つ必要があります。ただし、400人以上もの元Apple社員を雇っている事実は、OpenAIがAppleのノウハウを重視していることの表れでしょう。
Q: この訴訟の今後の行方は? A: まだ提訴されたばかりで、審理はこれからです。営業秘密訴訟は長期化することが多く、和解に至るケースも少なくありません。
出典
- 「Fortune: OpenAI engineer’s ‘LOL’ moment set stage for legal fight with Apple」
- Bloomberg(Mark Gurman)による同記事
