しかも発表の中に「The people who know the work should shape the tools.」、つまり仕事を知っている人がツールを形作るべきだという一文があるんですよ。ここが今回の思想が一番出ているところで、ベンダーが一方的に作るのではなく、実務家と一緒に作るという宣言になっています。
Legal Research Benchの非公開検証セットから米国のリーガルリサーチ問題200問を使用。具体スコアは非公開
室谷代表取締役
ここが今回いちばん実務的なポイントです。Astra for Lawは、米国の判例法、制定法、規則、裁判所規則、行政決定を、2億3000万を超えるURLのコーパスから検索できるとされていて、情報源は毎日追加されるんですよね。
テキトー教師DotAI 認定講師
しかも、CourtListenerを運営する非営利団体のFree Law Projectとの協業によって、公開された米国の先例判例法の99.9%以上をカバーする判例コレクションが、このリサーチ体験に組み込まれると説明されています。カバー率の桁が一つ違う話なので、ここは見逃せないところです。
室谷代表取締役
OpenAIの説明では、法律リサーチというのは、ぴったりの権威(オーソリティ)を見つけ、関連する該当箇所を特定し、それが目の前の状況にとってどれだけ関連性があり、どれだけ拘束力を持つのかを理解するところから始まるんだそうです。インデックスはその作業をAstra for Lawが行えるようにするためのもので、Thomson Reutersのようなプロバイダーが提供するライセンス済みコンテンツや専門製品を置き換えるのではなく補完する位置づけだと説明されています。
ちなみに、この構成がリーガルリサーチをどれだけ改善するかを測るために、OpenAIはVals AIのLegal Research Benchの非公開検証セットから米国のリーガルリサーチ問題200問を使ってテストしたと説明しています。このベンチマークは、モデルが関連する情報源と該当箇所をどれだけ見つけられるかを測るものですが、具体的なスコアについては今回公開されている情報では明らかにされていません。
OpenAIは最後に、Astra for Lawの次の章を、実際にそれを実務に投入する弁護士とリーガルテックのパートナーとともに作っていくと締めくくっています。発表時点で示されている以上のこと、たとえば一般提供の時期や料金体系などは、現時点では明らかにされていません。
ここは続報を待つしかないですね。
よくある質問
Q. Astra for Lawは誰が使えますか。
A. 当初は選ばれた事務所に対して、ChatGPTとCodexのTrusted Accessを通じて提供されるとされています。APIアクセスは近日提供予定です。それ以外の一般ユーザー向けの提供時期については、現時点では明らかにされていません。
Q. 料金はいくらですか。
A. 料金に関する記載は今回の発表には含まれておらず、現時点では明らかにされていません。公式ページには法務向けの問い合わせ導線が用意されています。
Q. GPT-6 Astraとは何ですか。
A. OpenAIが「最新かつ最も強力なモデル」と説明しているモデルです。Astra for Lawはこのモデルを法務向けの指示・設定・コンテキストと組み合わせた構成だとされています。モデル単体の詳細なスペックについては、今回の発表では明らかにされていません。
Q. 検索できるのは米国の法令だけですか。
A. Legal Search Indexが対象とするのは、米国の判例法、制定法、規則、裁判所規則、行政決定です。日本法など米国以外の法域への対応については、現時点では明らかにされていません。
Q. 出力された内容をそのまま信頼していいですか。
A. OpenAIは、事実から関連する権威や裏付けとなる該当箇所へ進み、弁護士が自分で確認できる形で提示することを目的として説明しています。最終的な判断は専門家が行う前提の設計です。
Q. 既存のリーガルテック製品は置き換えられますか。
A. OpenAIは、Thomson Reutersのようなプロバイダーが提供するライセンス済みコンテンツや専門製品を補完する位置づけだと説明しています。またHarveyやLegoraはAstra for Lawの上に自社製品を構築できるとされています。