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M&A仲介に資格は必要?免許・許認可・民間資格を全解説【2026年最新】

室谷東吾
監修者室谷東吾(@0x__tom

株式会社MYUUU 代表取締役 / 日本最大級AIコミュニティ「.AI」創設者(累計2,000名超)/ セプテーニ・ホールディングス(電通グループ)と資本業務提携 / 著書「お金を使わず、AIを働かせる『Dify』活用」(ぱる出版、3刷)/ Xフォロワー約2万人

テキトー教師
監修者テキトー教師(@tekitoo_T_cher

.AI 認定講師 / 教育×AIの専門家 / 累計300名以上にAI活用を指導 / 「テキトーに学ぶ」がモットーの実践派講師 / Xアカウント

M&A仲介に資格は必要?免許・許認可・民間資格を全解説【2026年最新】

M&A仲介に資格は必要?免許・許認可・民間資格を全解説【2026年最新】

室谷室谷
今回はM&A仲介に資格が必要かどうかという話をしましょう。これ、.AI(ドットエーアイ)のコミュニティでも「会社を売りたいんですが、どんな資格を持った人に頼めばいいですか」って聞かれることがあって・・・
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実は結論から言うと、M&A仲介には法律上の必須資格が存在しないんですよね。「資格がなくてもM&Aアドバイザーを名乗れる」という状況なので、依頼側が正しく理解しておくことが大事な領域です。
室谷室谷
そうなんですよね。これ、宅地建物取引士が必須な不動産仲介とは全然違う世界で・・・。

正直、知らないと「有資格者に頼めば安心」で終わってしまうんですが、そう単純じゃないんです。
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資格よりも「登録制度」や「実績」が重要になってくる領域ですよね。この記事では、M&A仲介に関する資格・免許・許認可の現状を整理して、どの資格が何を証明するのか、アドバイザーを選ぶ際に何を見るべきかをお話しします。

M&A仲介に資格・免許は必要ない?現行制度の実態

室谷室谷
まずここを明確にしておきたいんですが、現時点でM&A仲介業を営むために必要な「業法」は存在しません。法律上の資格も免許も許認可も、今のところ不要なんですよね。
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これ、多くの方が驚くポイントですよね。不動産の売買や賃貸なら宅建業法があって、宅地建物取引士が必須です。

金融商品の取引なら金融商品取引業の登録が必要です。でもM&A仲介には、それに相当する業法規制が2026年時点では存在しません。
室谷室谷
なぜかというと、M&A仲介は「株式や事業の売買に関する助言」という位置づけで、法律の抜け穴・・・というか、まだ制度が追いついていない領域なんですよね。日本のM&A市場が急拡大したのが比較的最近の話なので。
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結果として何が起きているかというと、専門知識がほとんどない会社や個人でもM&A仲介を名乗れてしまう、という状況があります。実際にトラブル事例も出ていて、それが問題視されてきました。
室谷室谷
だからこそ中小企業庁が動いて、「M&A支援機関登録制度」ができたんですよね。これ、業法ではないのでソフトな制度なんですが、信頼できる仲介業者を見分ける上でかなり重要な指標になっています。

中小企業庁のM&A支援機関登録制度とは

M&A支援機関登録制度 公式サイトのトップページ(中小企業庁)

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M&A支援機関登録制度は、2021年8月に中小企業庁が創設した登録制度です。要件を満たしたM&A支援業者(仲介業者・FA)を中小企業庁のデータベースに登録する仕組みです。
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登録の条件として重要なのは、中小M&Aガイドライン(2023年9月に第2版改訂)の遵守宣言が必須になっていることです。料金体系の透明化、反社会的勢力との関係がないこと、情報公開への同意、といった要件をクリアした業者だけが登録されます。
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これ、依頼側にとっては使える情報ですよね。「この会社は登録されているか?」という確認が、信頼性の最低限のチェックになります。

登録業者はで検索できます。
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もう一つ重要なのは、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)という補助金制度があって、この登録業者を使った場合にしか補助対象にならないんですよね。これは売り手側にとって金銭的なメリットがある話で・・・
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補助金まで絡んでくると、登録業者を選ぶ動機がさらに強くなりますよね。ただ、登録されていれば優良業者とは限らないので、あくまで「最低限のチェック項目の一つ」として捉えることが大事です。

M&A仲介アドバイザーが持っている民間資格一覧

M&Aスペシャリスト資格の概要ページ(日本経営管理協会 JIMA 公式サイトより)

室谷室谷
業法規制がない代わりに、業界団体や民間機関がそれぞれ独自の資格制度を作っています。M&Aに特化した民間資格が複数あるんですよね。
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整理すると、主なものはこの4つです。
資格名認定機関受験費用の目安特徴
M&Aスペシャリスト資格一般社団法人日本経営管理協会(JIMA)試験11,000円+講座77,000円M&A実務・法務・会計・税務が試験範囲。実践型講座あり
M&Aエキスパート認定資格(M&Aシニアエキスパート)一般社団法人金融財政事情研究会スタンダード7,700円〜スタンダード・アドバンス・プロフェッショナルの3段階
JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会受講費198,000円+入会金33,000円+年会費試験ではなく審査方式。正会員であることが条件
事業承継士一般社団法人事業承継協会試験9,900円+講座330,000円事業承継特化。弁護士・税理士等の国家資格保有が受験条件の目安
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それぞれ見ていくと、まずM&Aスペシャリスト資格(JIMA認定)ですが、試験の難易度が比較的高くて、実践型の講義が中心になっているのが特徴です。M&A実務・職業倫理・法務・会計・税務を幅広くカバーしています。
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M&Aエキスパート認定資格(金融財政事情研究会)は、3段階の構成が特徴的ですよね。スタンダード(事業承継・M&Aエキスパート)→アドバンス(事業承継シニアエキスパート)→プロフェッショナル(M&Aシニアエキスパート)という順で難易度が上がっていきます。

スタンダードは入門レベルなので、比較的取り組みやすい入口です。
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JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)は、一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)の認定資格で、試験ではなく審査方式というのが他と違う点です。JMAAが開講する「M&A実務スキル養成講座」を修了して、JMAAの正会員になることが条件になっています。
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事業承継士(一般社団法人事業承継協会)は、事業承継に特化した資格で、M&A全般というよりは後継者問題・相続・承継プロセス全体をカバーする位置づけですよね。受験に際して弁護士・公認会計士・税理士等の国家資格保有、もしくは相応の実務経験が求められるので、ハードルはやや高いです。
室谷室谷
正直、これらの民間資格を持っているからといって、M&Aアドバイザーとして優秀とは限らないんですよね・・・。資格が実務能力を担保するわけじゃない。

この点は依頼者側がしっかり理解しておかないといけないです。
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そこは重要なポイントで、「資格を持っていない人でも圧倒的な実績を持つM&Aアドバイザーはいる」し、「資格を持っていてもM&Aの成約実績が少ない人もいる」。知識の体系化という意味では資格は意味がありますが、実務力の指標にはなりにくい領域です。

M&A仲介アドバイザーに役立つ国家資格

室谷室谷
一方で、M&A実務の現場では特定の国家資格を持った専門家が非常に重要な役割を果たします。M&A仲介のアドバイザー自身が持っているケースも多いですし、チームとして関与するケースもありますね。
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主な国家資格とM&Aでの役割を整理するとこうなります。
国家資格M&Aにおける主な役割
弁護士契約書作成・法的デューデリジェンス・法的リスク評価
公認会計士財務デューデリジェンス・企業価値算定・財務諸表監査
税理士譲渡時の税務アドバイス(独占業務)・税務デューデリジェンス
司法書士合併・会社分割の登記申請・不動産所有権移転登記
社会保険労務士人事労務のデューデリジェンス・M&A後の雇用契約見直し
中小企業診断士中小企業の経営相談・PMI(統合後プロセス)支援
室谷室谷
特にM&A実務で欠かせないのは弁護士・公認会計士・税理士の3つです。仲介業者のアドバイザーがこれらの資格を持っているか、あるいはそれらの専門家と連携できているかは、品質を見極める上で重要な指標です。
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税理士のところは特に重要で、M&Aの譲渡時にかかる法人税・所得税に関するアドバイスは税理士の独占業務なんですよね。仲介業者が「税務まで全部見ます」と言っていても、税理士資格がなければ法的にアドバイスできない部分があります。
室谷室谷
これ、実際のM&A案件でトラブルになるケースがあって・・・。仲介業者が税務について不正確な情報を提供して、売却後に多額の税負担が発生するというパターンです。

売り手側も「仲介に全部任せた」では済まない話なんですよね。
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だからこそ、仲介業者を選ぶ際は「顧問税理士は誰か」「弁護士との連携体制はあるか」を確認することが大事です。M&A仲介の担当者一人にすべてを任せるのではなく、専門家チームとして動いているかどうかを見る視点が必要です。

M&Aアドバイザーを選ぶときに本当に見るべきポイント

室谷室谷
資格の話をしてきましたが、正直なところ「資格より実績」という領域なんですよね。M&Aは資格試験で覚えた知識よりも、実際に何件クロージングしてきたかが重要な世界です。
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僕が講座でよく話すのは「アドバイザー選びのチェックリスト」ですね。資格はあくまでその中の一項目です。
  • 過去のM&A成約実績(件数・業種・規模感)
  • 売り手側・買い手側のどちらの経験が多いか
  • 手数料体系が明示されているか(特に最低手数料の設定)
  • M&A支援機関登録制度への登録有無
  • 担当者個人の経験年数と専門性
  • 弁護士・税理士との連携体制
  • セカンドオピニオンとしての法律家への相談ができるか
室谷室谷
手数料の話は特に重要で、レーマン方式(成功報酬型)を採用している会社が多いんですが、最低手数料の設定がどうなっているかで、小規模M&Aの場合はコストが大きく変わります・・・。MYUUUで以前に会社の買収を検討したときも、ここを必ず確認していました。
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両手仲介(売り手・買い手両方から手数料をとる)の問題も業界内で議論されていますよね。理論上は利益相反が生じやすい構造なので、この点をどう解決しているかを事前に確認しておくことが大事です。
室谷室谷
中小M&Aガイドラインでも両手仲介について言及されていて、「依頼者の利益を最大化する誠実義務」が明記されました。登録制度の業者はこのガイドラインの遵守を宣言しているので、少なくともその点について問い合わせやすい環境はあります。
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もう一つ大事なのが、担当者との相性と信頼関係ですよね。M&Aは数ヶ月から1年以上かかるプロセスで、守秘義務の高い機密情報を共有しながら進めます。

書類だけでなく、実際に会って話してみて「この人に任せられるか」という人間的な信頼感も判断材料になります。

M&A仲介の資格制度の今後:規制強化の動きはあるのか

室谷室谷
最後に少し未来の話をしておきたいんですが、M&A仲介業の規制強化については政策的な議論が進んでいます。現在はソフトな登録制度ですが、不動産仲介のように「業法」レベルの規制が入ってくるのかどうかというのが業界の関心事ですよね。
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2025年前後から業界団体や国会でもこのテーマが取り上げられるようになっていて、「資格制度を創設すべき」という声が増えています。中小企業のM&A成約件数が増え続けている中で、トラブル事例も増えているという現実がドライバーになっています。
室谷室谷
海外を見ると、たとえばアメリカではM&Aアドバイザーが有価証券の売買に関与する場合、証券ブローカーとしてSECへの登録が必要になるケースがあります。完全に規制がないわけじゃないんですよね・・・。

日本もその方向に徐々に動いていくとは思います。
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とはいえ、急激に業法が整備されるかというと、そうでもないのが現実で。当面は「登録制度への加入」「中小M&Aガイドラインの遵守」「民間資格の活用」という3つの自主規制的な取り組みで品質管理が進んでいく形になりそうです。
室谷室谷
依頼する側の経営者にとっては、「資格があるから安心」ではなく、「なぜ規制がないのか」という構造を理解した上で、複数の業者を比較検討することが重要です。売り手として会社を手放すのは一生に一度の決断ですから、それくらいの慎重さは必要だと思います。
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本記事のまとめとして言えるのは、M&A仲介に必須の資格・免許・許認可は現時点では存在しないが、資格は「担当者の知識水準」を測る一指標にはなる、ということですよね。

まとめ:M&A仲介の資格・免許・許認可について

室谷室谷
今回の内容を整理するとこうなります。
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M&A仲介を依頼する際の判断材料として、以下のポイントを押さえておきましょう。
  • M&A仲介には法律上の必須資格・免許・許認可が存在しない(2026年現在)
  • 中小企業庁のM&A支援機関登録制度への登録有無が信頼性の最低限の目安
  • 民間資格(M&Aスペシャリスト・M&Aエキスパート等)は知識の体系化を証明するが、実務能力の証明にはならない
  • 実務の現場では弁護士・公認会計士・税理士などの国家資格者との連携が重要
  • 資格よりも成約実績・手数料体系・担当者の経験を重視して選ぶべき
  • 業法規制強化の動きはあるが、当面は登録制度・ガイドライン遵守が主な品質管理の仕組み
室谷室谷
M&Aは金額規模が大きいだけに、依頼先選びを誤ると取り返しのつかないことになりかねない。「資格があるかどうか」で安心するのではなく、実績・透明性・専門家との連携体制をしっかり確認してほしいですよね。
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そうですね。「誰に任せるか」がM&Aの成否を大きく左右します。

焦らず、複数の業者に相談してから決めることをおすすめします。

よくある質問

M&A仲介業者は誰でも開業できますか?

はい、現時点では業法上の規制がないため、特別な資格や免許がなくてもM&A仲介業を開始できます。ただし、法人としての設立や一般的な商業登記は必要です。また、中小企業庁のM&A支援機関登録制度への登録は任意ですが、登録することで信頼性を示せます。

M&A仲介 免許は必要ですか?

2026年時点では、M&A仲介を行うための政府発行の免許は必要ありません。不動産仲介における「宅建業免許」や証券業における「金融商品取引業登録」に相当するものは存在しません。ただし、業務の内容によっては金融商品取引法の適用を受ける場合があるため、具体的な業務形態に応じて弁護士への確認が必要です。

M&A仲介 資格制度はいつできますか?

現時点(2026年)では、法的効力のある資格制度は創設されていません。業界団体や政策的な議論では規制強化を求める声があり、今後数年で制度整備が進む可能性はありますが、具体的なスケジュールは公表されていません。当面は中小企業庁の登録制度と民間資格が並走する状況が続く見通しです。

M&Aアドバイザーの選び方で最も重要なことは何ですか?

成約実績(件数・業種・規模)の確認が最も重要です。加えて、手数料体系の透明性、弁護士・税理士との連携体制、中小企業庁のM&A支援機関登録制度への登録有無、担当者個人の経験年数を確認することをおすすめします。資格の有無は参考情報の一つとして捉えてください。

出典

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